海外販路開拓といっても何から始めていいのかよくわからないという未経験者の方も多いのではないでしょうか? 効率よく販路を開拓するための大前提として、まずは対象市場(国)を特定する必要があります。
ここでは東南アジアを管轄地域として販路開拓・販路拡大のサポートに長年携わってきた経験をもとに
対象市場(国) を特定するための事前準備について説明します。
ショートコード1
対象市場(国)を特定するための事前準備
東南アジア各国の基礎情報を入手する
少子高齢化や人口減少により日本国内の市場は縮小傾向にあると言われます。事業を継続するためには新たな販路を求め海外市場に目を向ける企業が増えています。なかでも消費市場として今後も成長が期待されている東南アジアに注目が集まっています。
ただ、東南アジアといっても国によって国土面積、人口、人種、宗教、文化、言語など様々で、各国の特徴は経済状況や生活習慣によっても大きく違います。新たな販路を開拓する第1ステップとして、関心ある国の一般概況(基礎データ)を把握しておくことはとても重要です。
一般概況(基礎データ)を知る
基礎データを知ることは販路開拓の戦略をたてるのに大いに役立ちますが、意外と軽視されているように思います。ソースもとが不明な情報の一部だけに注目し都合の良い解釈をされる方も少なくありません。
例えば、「シンガポールは富裕層の国で消費者の購買力が高い」ことから複数のディストリビューターと契約できるチャンスがあると期待される方も、国土面積が淡路島より少し大きいだけの都市国家だと分かれば、より現実的な見方に変わっていきます。
基礎データを知ることはまさ海外販路を開拓するための基礎知識を持つことです。
基礎データで注目すべきファクター
飛行機で6~7時間ぐらいの距離にありCOVID前は日本から沢山の観光客が訪れていましたが、東南アジアにある国の位置や大きさは意外と知られていないように思います。関心のある国に関しては、少なくともある程度のサイズ感は知っておいた方が販路を開拓するうえでも役に立ちます。そのためには、まずは基礎データとして以下のファクターに注目する必要があります。
基礎データとして考慮すべきファクター
・国土面積
・人口構成
・経済指標;GDPと国民一人あたりのGDP
・一世帯あたりの家計所得
・人種・宗教
単純に数字や情報を確認するだけでなく、日本と比較することでサイズ感を把握することをお勧めします。
各国の一般概況を簡単に調べるには外務省とジェトロのホームページが非常に便利です。
- 外務省
https://www.mofa.go.jp/mofaj/index.html
上記サイトからから国・地域を選んで調べたい国を選択し、「基礎データ」下の一般事情をクリックしてください。 - ジェトロ
https://www.jetro.go.jp/world/asia/
上記サイトから国を選んで基本情報下にある概況・基本統計をクリックしてください。「日本との関係」をクリックすると貿易、投資、日系企業の進出に関する情報も収集できます。
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売り込みたい商材の評価を知る
関心ある国の基礎データを把握したうえで、次に必要となるステップは売り込みたいモノ・サービスが各国で評価されるか否かを知ることです。人口が最も多いと言う理由でインドネシアを対象にと考えても、売り込みたい商材が評価されないのであれば販路開拓も極めて厳しいでしょう。商材の評価を知るということは市場の可能性を知るということです。
商材の評価を知るうえで考慮すべきファクター
市場の可能性を知ることは、 対象市場(国) を特定するための重要なステップです。関心ある国における市場の可能性については、売り込みたい商材別に以下のファクターを考慮して調査することが必要です。
調査項目として考慮すべきファクター
- 生活・居住環境
- 文化・嗜好・習慣
- 宗教的背景
- 家計所得と購買力
- 類似商材
- 輸入規制
購買力、宗教的背景、文化・習慣を把握するだけでも売り込みたい商材が評価される国なのか否か判断することは可能です。上記の情報に関しては、ネット検索でもある程度収集できます。
まずはネット上の情報を収集
売り込みたい商材の評価を知るためには、まずご自身で可能な限りネット上の情報を収集していただくことをおすすめします。自ら情報収集する過程で関心ある国への理解度も深まりますし、より詳しく知りたい内容、今後現地に足を運んで視察しないとわからない事項などが明確になります。
また経費も節約でき、今後の販路開拓事業に充てることもできます。最初は時間もかかるかもしれませんが、ご自身の商材が海外で「販売されている」、「使用されている」と想像するだけでもモチベーションは高まるはずです。
まとめ
基礎的なこととなりますが、今回は効率よく海外販路を開拓するためには 対象市場(国) を特定する必要があること、そしてそのために大切な事前準備について説明しました。
関心ある国の基礎情報を知る
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売り込みたい商材の評価を知る
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対象市場(国)を特定する