シンガポール政府の糖尿病対策と地場系フードテック企業の低GI食品開発

kamobsコラム

~kamobsコラム Vol.6~

国民に占める糖尿病患者の比率が約13%と高いシンガポール。2021年時点での糖尿病患者数は約71万2千人に達し、10年間で約1.7倍に増加したと言われている。今後も増加傾向にあり、2030年には87万2千人、2045年には89万9千人に上ると推測されている。

シンガポールでは、健康志向と相まって健康食の需要が高まっていると言われて久しいが、糖尿病による疾病負担(健康問題の影響)の4分の1以上は食生活のリスクによるもので、そのうち3分の2は太りすぎが原因だと言われている。

食生活の改善に関しては、保健省傘下の健康促進局(Health Promotion Board, HPB)が健康な食事を推進するHealthier Dining Programme (HDP)で、飲食店に500カロリー以内のメニューの提供を推奨している。また、農業に従事している若いシンガポール人や都市型農業に携わる関係者のなかには、現地で収穫できる新鮮な野菜を生で食す食文化を定着させようとする動きもみられる。

実際、健康志向の高いシンガポール人の間では食生活の改善が進んでいる一方で、依然として肥満人口は増え続けている。ハンバーガーやフライドチキンなどのファーストフードの誘惑に勝てないのだろうか、特に学生の肥満人口の増加が深刻で、肥満率は12%を超えていると言われている。

こうした肥満児が将来、糖尿病にかかる可能性が高いとして、HPBは小・中学校の食堂で栄養バランスのとれたセットメニューを提供し、幼少時から栄養バランスのとれた食生活を身につけることで、肥満児の割合を抑えるプログラムなどにも取り組んでいる。

糖尿病患者の増加は大きな社会問題だとし、2017年の建国記念集会演説(National Day Rally=NDR)では、リー・シェンロン首相が糖尿病対策を国の重大施策の一つとして挙げた。

その直後に保健省(MOH)が、清涼飲料メーカー7社が2020年までに清涼飲料水の砂糖含有量を12%以下にするこで合意したと発表したり、政府が糖分摂取量を抑えることを目的とした食品開発に補助金を支給することを明言した。

国内では、すでに複数の食品メーカーがGI値(Glycemic Index)を下げる効果がある食品の開発に取り組んでいる。なかでも注目を集めている地場系フードテック企業の1つがAlchemy Foodtech Pte Ltdだ。

同社は食後血糖値の上昇が高い白米やパンなどの炭水化物を低GI化する食品を開発。植物繊維と植物抽出物をブレンドした5ibrePlusと、5ibrePlusを粒状にした5ibreGrainを開発した。これらを主食となる白米やパンなど炭水化物を含む食品と混ぜ合わせるとGI値を下げる効果がある。

同社は80万シンガポール・ドルを投資し、3年半かけて5ibrePlusと5ibreGrainを開発。2016年と2017年にシドニー大学で実施された実験では、5ibrePlus・5ibreGrainの含有率9%の白米を消費した場合の血糖値の上昇速度が、玄米や穀物を食べた時とほぼ同様だったことがわかったという。

5iberPlusは現在、Alchemy Fibre™として商品化されており、白米用と焼菓子やケーキなどを作る小麦粉用の2種類が小売店でも販売されている。消費者は自宅で白米や小麦粉に混ぜ合わせるだけで手間をかけず、味や食感を損なわない低GI値の料理を作ることができる。

我が家では血糖値の急上昇を防ぐ効果が期待できる食べ物や飲み物を切らさないによう心がけている。特に、自分の体に合っていて毎日食べても苦にならないオクラやキノコ類は常に冷蔵庫に保管している。数ヵ月前からAlchemy Fibre™とGardeniaの低GI食パンも買うようになった。

注射嫌いなので、「次(3ヵ月後)の血液検査で結果が変わらなかったらインスリン注射ですから」という女医の一言がきっかけで、3年前から食生活を見直し適度の運動を続けている。体重は最初の半年で15㎏落ちた。血糖値・HbA1c(ヘモグロビン A1c)の数値も下がった。

一時期は極端な脱カーボの食生活に挑戦してみたが、根っから白米、パン、パスタなど炭水化物が大好きなので、摂取する頻度と量を少なくし、Alchemy Fibre™の力も借りるようになった。

「継続は力なり」というが、継続することの難しさを痛感している。少し油断するだけで体重は増え、血糖値も高くなる。

血液検査で、たっぷり抜き取られる血を見ながら、少しばかり価格が高くてもいいから、どれだけ食べても血糖値を正常値に保ってくれる美味しい食品があったらいいのになんてことを考えていた。そんな日本産食品があったら自分がエージェントとなり販売したいなんて妄想を膨らませている間に採血終了。

結果が分かるのは来週。毎回、血液検査(採血)から結果がわかるまで、血糖値を気にせず好きなものを食べてもいい1週間と決めている(主治医には怒られそうだが・・・・・)。

帰宅し、お米3合をAlchemy Fibre™を入れずに炊く。ご飯が炊けたら、久しぶりに白米大盛をお茶漬けにしてかきこむ。血糖値を気にせず炭水化物を摂取する幸福感! 魚沼産コシヒカリはやっぱり美味い!


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