ラオス政府は、2026年第1四半期までに暗号資産(仮想通貨)のマイニング事業者への電力供給を停止する方針を検討している。国内の電力を、経済成長への貢献が大きい産業向けに振り向けることが狙いであると、チャンタブン・スーカルーン副エネルギー大臣がロイターに語った。
安価な水力発電を求め、暗号資産マイナーは2021年以降、ラオスに急速に集まった。しかし政府は現在、人工知能(AI)データセンターや金属精錬、電気自動車製造など、より付加価値の高い産業への電力供給を優先する方針である。
スーカルーン副大臣によると、ラオスは既にマイナーへの供給を削減しており、現在の消費量は約150MW。2021~2022年のピーク時500MWから70%減少しているという。
「暗号資産は経済に直接的な価値を生み出さない。国内の電力が余剰であったため、2021年に一時的に供給を認めたが、雇用や経済への波及効果は限定的である」と副大臣は述べた。
当初は2025年に供給停止を計画していたが、豊富な降雨による水力発電量の増加でタイやベトナムへの輸出が拡大したため、継続してきたという。「2026年第1四半期末までには、完全に停止する見込みである」と副大臣は語った。
ラオスは「東南アジアのバッテリー」とも称され、水力発電の輸出により地域のクリーンエネルギー推進に重要な役割を果たしている。太陽光や風力の拡大が課題となる隣国にとって、水力発電の輸出は脱炭素化に不可欠である。
副大臣によると、ラオスは現在、タイやベトナムとの契約を通じ水力発電を輸出しており、特にベトナム向けの供給能力は現状の8,000MWからさらに増強する方針である。
また、中国国有企業の子会社がラオス国営電力会社に対し、約5億5,500万ドルの未払い金支払いを求め仲裁を起こしている件については、「契約に基づく正当な権利であり、手続きが完了するまで対応する」と副大臣は述べた。未払い金は、事前の予測需要と実際の需要の差によるものである。
さらに、ラオスはラオス・タイ・マレーシア・シンガポールを結ぶ送電網を通じたシンガポール向け電力輸出の再開も近く見込んでいる。ただし詳細は明らかにしていない。2024年にはタイ側の契約延長条件が未確定のため、一時停止していた。
10月16日、4か国は共同声明を発表し、国境を越えた電力取引の継続に向け協議を進める姿勢を確認したが、輸出再開時期は明示されなかった。
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