【マレーシア】普及、課題は走行距離と充電ステーション不足

マレーシア

電気自動車(EV)MINI『クーパーSE』でマレーシア国内1,200kmを走行したCNA記者が1月2日、マレーシアでのEV普及に向けた課題について記事を投稿した。CNAのAmir Yusof記者によると、マレーシアで自動車所有者にEVへの切り替えを促すには、EVが現実的な選択肢となることが必要不可欠だと指摘した。

多くの国が公衆衛生を改善し気候変動と戦うためにCO2を発生するガソリン車、ディーゼル車、ハイブリッド車からEVへの切り替えを支援しているように、マレーシア政府も2022年の国家予算で、EVの輸入税、物品税、およびすべての税金を完全に免除することを発表した。

Yusof記者は、より手頃な価格にすることでEVへの切り替えを促そうとする政府の政策を歓迎する一方で EVがより実用的であることを保証することも重要だとし、迅速かつ効率的な充電を可能とするインフラストラクチャの整備が必要だと述べた。

マレーシアでは、休暇、里帰り、仕事などで州を跨いで定期的に長距離を移動することが多く、利便性がもっとも重要視される。多くのEVは200kmから300km走行した後に充電する必要があり、充電にも1時間以上かかる場合がある。同じサイズのガソリン車の場合、1回の燃料補充で走行できる距離はEVよりかなり長く、燃料補充の時間もわずか5分で完了する。

マレーシアでは都市から都市への道中、特に農村部には充電ステーションが設置されておらず、現状EVで長距離移動するにはリスクをともなうようだ。

MINI『クーパーSE』は充電後に走行できる距離が約200kmと比較的短いため、頻繁に充電をする必要がある。1,200kmの走行距離を考慮すると、1回の充電で400~600km走行できるテスラ社のEVやヒュンダイKonaのほうが快適な移動を可能にする。ただし、Yusof記者によると、これらのEVは現状では簡単にレンタルできず、カーシェアリングプラットフォームTrevoで利用可能なレンタルEVはMINI『クーパーSE』だけだったようだ。

自動車販売ガイドCarbase.myによると、国内で販売されているEVは10モデルで、マレーシア電気自動車所有者クラブの会長であるShahrol Halmi氏は、国内で使用されているEV台数は約400だという。

Yusof記者 は、マレーシアではEVの価格がまだまだ高いこと、走行距離が比較的長いEVのレンタルが難しいこと、長距離運転するマレーシア人が多いにも関わらず充電ステーションが不足していることなどが、EVが普及していない主因だと述べている。

ソース

Range anxiety and long charging time: The ups and downs of my EV road trip in Malaysia
Electric cars are causing a buzz everywhere but are they realistic options for long-haul trips in Malaysia? CNA’s Amir Yusof attempts a 1,200km journey to find ...

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