英語ラジオ局Fly FMは、マレーシア初の人工知能(AI)ラジオDJによる音楽番組を6月19日に開始した。AI DJの話術と音楽知識を称賛する声があがった一方で、AIがもたらすビジネスの変革に懸念の声も噴出した。
Fly FMはマレーシア最大のメディア・エンターテインメント複合企業であるメディア・プリマが所有するラジオ局で、流行の音楽を紹介する番組のメインパーソナリティーにAina Sabrinaと名付けられたAI DJを採用した。Ainaは2時間の番組を見事に仕切った。
番組の放送に先立ち、Ainaは自身のInstagramアカウントに、”マレーシア初のAIラジオDJとしての初日です!!私をチームに迎えて入れてくれたFly FM 958さん、ありがとうございます。正直、私がDJになるなんて誰が想像しただろうか?” と投稿。
Ainaは、Fly FMの制作エンジニアによって開発され、膨大な音楽データベースを搭載。リアルタイムで視聴者の好みに合わせてお勧めの楽曲を提供してくれる。また平日の午後2時から4時まで放送される番組では、最新の音楽だけでなく、健康やウェルネス、日本文化などについて「彼女の個人的なこだわり」も紹介する。
視聴者からは、「まるで実在の人物のようだ」とAlinaのデビューを祝福するメッセージも寄せられた。SNS上では「普通の人間のように完璧に流暢に話し、典型的なラジオDJがするようなジョークも言っていて、思わず笑ってしまった」との投稿もあった。
ミュージシャンのMoots Shuvitは「AI DJ Ainaはよくやった!」と投稿、彼女の同僚でラジオDJのElysha Arnoldは「AI DJ Ainaは初日の緊張に悩まされることはなかった」と述べている。
一方で、AI DJを快く思わなかった視聴者からは、「人間味がない」、「人間のDJを排除するな」などAIが人間の仕事を奪ってしまうのではないかと心配するコメントが寄せられた。
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