マレーシア政府は10月11日から鶏(ブロイラーチキン)の一時的な輸出禁止を解除する。同国は月に最大で360万羽分の鶏肉を輸出していたが、国内の鶏肉の供給と価格の問題に取り組むため、6月1日から輸出の停止に踏み切っていた。
シンガポール食品庁(Singapore Food Agency:SFA)も9日、マレーシア当局から輸出再開の公式通知を受け取ったことを明らかにした。詳細に関してSFAはマレーシア側に説明を求めているようだが、鶏肉供給の約3分の1をマレーシアからの輸入に依存していたシンガポールにとっては朗報だ。
マレーシアは6月中旬に鶏の輸出禁止を一部解除し、カンポンチキンとブラックチキンの輸出を許可したが、国民食チキンライス用にシンガポールがマレーシアから輸入していた生きたブロイラーチキンは対象外とした。
キアンディ農業・食品産業相は8月、マレーシア政府が講じた措置により国内での鶏肉不足は解消され供給過剰となったことから鶏の輸出再開の可能性に言及した。
その後、マレーシアのインフレ対策委員会のアンヌア・ムサ委員長は、輸出用の家禽を飼育している養鶏農家が、農業・食品産業省からの承認を得た後、10月に輸出を再開できる可能性が高くなったと述べた。
マレーシアは2020年に1,890万米ドル相当の鶏肉を輸出し、世界第49位の輸出国となっている。データプラットフォームのObservatory of Economic Complexityによると、主な輸出市場はタイ、シンガポール、日本、香港、ブルネイだった。
シンガポールは鶏肉供給の約34%をマレーシアからの輸入に依存し、そのほとんどは生きたままのブロイラーチキンが持ち込まれ、現地で屠殺・冷蔵されていた。
※ソース
Malaysia to lift export ban on live broiler chickens from Oct 11: SFA
The Singapore Food Agency said it is seeking clarification on the details.