元副首相のアンワル・イブラヒム氏が(75)が宣誓を行い次期首相に就任し、選挙後の政治危機に終止符を打ったことで株価指数は2年振りに大幅上昇を記録した。また通貨リンギットも急伸し2週間ぶりの上げ幅を記録した。
FTSEブルサ・マレーシアKLCI指数は4%上昇し、2020年3月以来の最高値となる1,501.88ポイントで引けた。ペリカタン・ナシオナル(PN)連合が政権樹立に敗れたため、ゲンティン・マレーシア、スポーツトト、マグナム、Carlsbergマレーシアなど、ゲームやビール会社の株価が上昇した。
リンギットは午後5時20分現在、対米ドルで1.8%上昇し、対シンガポールドルは、水曜日の終値3.3074から1.2%上昇し3.2687となった。
19日(土)の選挙後の前例のない空転劇により、アブドゥラ国王に正式な首相任命があるまで売買を手控える投資家が多くなり株価指数は小動きとなっていた。
19日の総選挙では、アンワル氏、ムヒディン元首相両氏の陣営がとも過半数議席を獲得できなかったことから、国王が介入し複数の議員から話を聞いた上でアンワル氏率いる多民族政党連合「希望連盟(PH)」が最多議席を獲得したことを認めた。
ANZのアジア調査部長であるクーン・ゴー氏は、アンワル氏が第10代首相に就任し、希望連盟と国民戦線の連立政権を率いることは確実だが、政策や閣僚人事について明確になるまでには、もう少し待つ必要があると述べた。
またゴー氏は、投資家が注目するのは誰が財務大臣になるのか、前政権の予算表に変更があるのか、希望連盟がGST(物品・サービス税)を導入する気配があるのか、という点だと述べた。
アンワル氏は首相として、民族間の緊張を静めつつ、高騰するインフレと成長の鈍化にどのように対処するか手腕が問われることになる。
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