2027年1月に開業予定のジョホールバル—シンガポール高速輸送システム(RTSリンク)が、ジョホールでの新規商業開発を活性化している。RTSリンクは片方向1時間あたり1万人を輸送でき、現在1日1万人未満の利用にとどまるシャトル・テブラウに代わる幹線となる。
ナイトフランクのクリスティン・リー氏は、RTSリンクによる越境需要の増加が小売・宿泊・ウェルネス分野を大きく後押しすると指摘する。新規モールの多くはシンガポールからの日帰り客を主要ターゲットに、高級志向の開発を進めている。
相次ぐ大型投資
11月には、CapitaLand Investment(CLI)とCoronade Propertiesが、RTSリンク直結の「コロネーション・スクエア・モール」を発表した。延床120万平方フィートの規模で、2026年着工、2029年完成予定だ。約5,000台の駐車場を備えるなど、大規模複合開発として地域最大級となる。
一方、クオック・グループ傘下のAllgreen Propertiesは、JBシティスクエアの全面改装に着手する。完成は2027年第4四半期で、ホテルアパートメントやウェルネス施設を併設した複合施設へと刷新される。
ERAシンガポールのユージン・リム氏は、複合開発はリスク分散に有効であり、JS-SEZへの早期参入者は立地や人材の確保で優位に立てるとする。一方で、ジョホール州は人口が約400万人と小さく、特にプレミアム小売業での人材確保が課題になるとの指摘もある。
投資と訪問者が急増
JS-SEZは2025年1月に設立された特別経済区で、両国で2万人の熟練職の創出が見込まれる。ジョホール州は2025年上半期にRM560億の投資を誘致し、前年同期比4倍に増加した。訪問者数でもシンガポール人が最多で、1〜7月に延べ1,100万回の訪問が記録された。
こうした動きを踏まえ、メイバンク投資銀行はマレーシアの小売・産業系リートに対し強気の見通しを示す。為替メリットを享受するシンガポール人の購買力が追い風となるためだ。
ジョホールの主要モールも好調で、パラダイムモールは入居率約99%、週末来訪者の6割がシンガポール人という。コムターJBCCも入居率が2022年の46%から69%へ改善した。
持続的成長には時間
リム氏は、JS-SEZは広域にわたる開発であり、成熟には時間を要するとしつつも、両国経済を強化する「有望な成長エンジン」だと評価している。
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