手術後の合併症を最小限に抑えるため、シンガポール総合病院(SGH)は、医師が患者の手術適合を判断するのに役立つ新しい人工知能(AI)ツールを活用している。
同病院が独自に開発したCARES-ML(Combined Assessment of Risk Encountered in Surgery-Machine Learning)は、患者の病歴や身体状態、血液検査などの結果から、術後の合併症のリスクをより正確に予測することができる。
機械学習モデルを構築するために、2015年から2022年にかけてSGHが収集した10万人近い患者のデータセットが用いられた。
世界中で毎年約3億件の大手術が行われており、1つ以上の合併症を引き起こす確率は16.8%と言われている。以前は、手術後の合併症の可能性を判断するために、麻酔医と外科医が患者のカルテに目を通す必要があったが、これでは見落としがあった場合、正確なリスク評価ができなくなる可能性がある。
CARES-MLを使うことで人為的ミスを減らすだでけなく、手術後30日以内に集中治療が必要になる患者と死亡する患者のリスクを、それぞれ90%以上、80%以上の精度で予測することができる。
また、CARES-MLは、肥満度や使用した麻酔の種類などリスクを高める要因にフラグを立てることもでき、医師はAIが生成したリスクレベルの理由を理解することができる。この情報はまた、医師が手術から生じる問題をよりよく予測し、患者の転帰を改善できることを意味する。
SGHは、リスクレベルを理解し、術後の患者のニーズをより正確に把握することで、集中治療室にどの患者を優先的に配置するかなど、リソースをより効果的に割り当てている。
※ソース

New AI tool helps SGH doctors predict risk of complications after surgery
It can check a patient’s medical history, physical status and test results to predict risk of post-operative complications. Read more at straitstimes.com.