【シンガポール】スタートアップ企業が革新的な食品開発を加速

シンガポール

シンガポールでは2020年に世界初となる培養鶏肉の製造販売が許可されて以来、持続可能な食料調達や食の供給を実現しようとするスタートアップ企業が革新的な食品の開発を加速させている。

養殖魚の細胞を組織培養し持続可能なシーフードを開発したUmami Meats社は、2030年までに国内で販売するシーフードの安定的生産を目指す。同社では乱獲のため養殖が困難な魚介類に注目し、植物と培養魚肉をミックスしたハイブリッドな「かまぼこ」を開発している。

培養魚肉であることから、同社では「かまぼこ」で一般的に使われるドリーやスケトウダラではなく真鯛を使用。魚から採取した細胞は、成長し分裂するように栄養分を含む培養液や液体ブロスを使用し、2週間足らずで食品に使用できる状態にする。見た目も香りも従来の「かまぼこ」と遜色がないという。

Umami Meatsの共同設立者で最高経営責任者のMihir Pershad氏によると、ウナギやマグロの培養魚肉にも取り組んでおり、今後はウナギの燻製、寿司ネタ、マグロステーキまで幅広く使えるよう開発していくという。

また、オランダの培養肉会社Meatable社はアジア初の植物性精肉店Love Handleと提携し、新しい種類の豚肉(培養肉)を開発している。様々な用途が考えられる挽き肉やソーセージをはじめ、プルドポークや餃子の開発も検討。

両社は、味覚が進化するのは時間の問題だとし、消費者の好奇心を刺激し代替肉のニーズが高まるよう取り組んでいくと述べている。

シンガポール政府は食料安全保障の観点から2030年までに食料自給率を30%に引き上げる「30Ⅹ30」を国家目標に掲げており、同時に代替タンパク質食品の主要プレイヤーとしての地位も確立しようとしている。

※ソース

Singapore’s emerging alternative proteins scene cooks up a storm with new food items
Companies are racing to serve up innovative food offerings, as the country looks to become more food resilient.

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