【シンガポール】コア・インフレ率は3カ月連続で横ばいの3.1%

シンガポール
Services inflation in May came in at 3.6 per cent on the back of a larger increase in holiday expenses and a smaller decline in prices of airfares. ST PHOTO: CHONG JUN LIANG

シンガポール統計局が6月24日に発表した5月のコア・インフレ率(民間道路輸送や住宅費など、政府の政策の影響を受けやすい項目を除外したインフレ率)は、前年同月比で3.1%であり、3カ月連続で横ばいだった。前月比では0.1%上昇した。

サービスインフレ率は、休暇費用の増加と航空運賃の値下がり幅の縮小が影響して3.6%となったが、電力・ガス、小売およびその他の商品のインフレ率の低下により相殺さた。食品のインフレ率は2.8%で横ばいだった。

総合インフレ率(ヘッドラインインフレ率)は、4月の2.7%から3.1%に上昇。これは主に車両とガソリンの価格の急上昇が要因で、特に自家用車両のインフレ率は、前年同月比で2.8%上昇した。

ロイターの調査では、コア・インフレ率が3%、ヘッドラインインフレ率が3.05%と予想されていた。

DBSのエコノミスト、チュア・ハン・テン氏は、「コアディスインフレ(コアインフレ率の低下)は予定通り進んでいるが、月次年率変化は低下傾向にある」と述べた。

チュア氏は、シンガポールドルが強いことや、世界的な原材料価格の管理可能性から、輸入価格の圧力が抑えられていると見ており、2024年の平均コア・インフレ率が鈍化すると予想している。

OCBCのチーフエコノミスト、セレナ・リン氏は、「現時点では最終段階のディスインフレ軌道はやや起伏があるが、これはシンガポールに限ったことではない」と述べた。またリン氏は、今後数ヶ月でコア・インフレ率とヘッドラインインフレ率の両方が3%を下回り、2024年の平均が約2.8%から3%になる余地があると指摘した。

世界中の中央銀行はインフレに注視しており、欧州中央銀行とスイス国立銀行は政策金利を引き下げ始め、イングランド銀行はハト派的なシグナルを送っている。米国連邦準備制度理事会(FRB)は様子見モードだが、2024年に1回、2025年と2026年にはそれぞれ4回の暫定的な利下げを予定している。

リン氏は、「シンガポール金融管理局(MAS)にとって、金融政策を引き締めるハードルは比較的高いものの、コア・インフレ率が下方に張り付いているため、緩和の時期もまた先になる可能性がある」と述べた。またリン氏は、7月および10月の金融政策決定会合でMASの金融政策スタンスに変更はないとの見解を示した。

※ソース

S’pore core inflation slows to 3% in September, but overall inflation up after record COE prices
Core inflation has eased to an 18-month low but economists say uncertainty looms over its outlook. Read more at straitstimes.com.
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