シンガポールの消費者物価は11月も高水準を維持した。家計への影響をより正確に反映するため自家用車と住居費を除いたコアインフレ率は、前年同月比1.2%となり、2024年12月以来の高水準だった。全体のインフレ率も同じく1.2%で、いずれも10月から横ばいである。
9月に約4年ぶりの低水準である0.4%まで低下した後、10月に急上昇しており、11月もその水準を維持した。ただし、ブルームバーグが調査した市場予想(1.3%)は下回った。
11月は、サービス価格の上昇が、衣料品など小売価格の鈍化や電気・ガス料金の下落によって相殺された。サービスインフレ率は10月の1.8%から1.9%へ上昇し、配車サービスや医療保険料の上昇が主な要因だと金融管理局(MAS)と通商産業省(MTI)は説明している。
食品価格の上昇率は1.2%で横ばいだった。一方、衣料品や日用品の価格下落により、小売・その他商品のインフレ率は0.3%に低下した。電気・ガス料金は電力価格の下落を受け、前年比4.1%のマイナスとなった。
市場関係者は、今回のインフレは需要の強さによるものではなく、特定分野でのコスト上昇が消費者に転嫁されている結果だと分析している。医療や交通など、家計が避けにくい分野に負担が集中している点が特徴だという。
メイバンクのエコノミストは、2026年には公共交通運賃の値上げや炭素税の引き上げなどが予定されており、インフレ率は緩やかに上昇すると予測している。同氏は、2026年のコアインフレ率は平均1.3%になるとの見方を示した。
MASとMTIは、2025年のコアインフレ率は約0.5%、2026年は0.5〜1.5%の範囲に収まるとの予測を維持している。輸入コストの低下や原油価格の安定が、インフレ抑制につながる見通しだ。
一方で、地政学リスクによる供給ショックや、世界経済の減速など不確実性も残るとしている。OCBC銀行のチーフエコノミストは、現状では金融政策の変更を迫る状況ではないとの見解を示した。
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