【シンガポール】経済成長に陰り、2025年後半は関税と貿易摩擦が重荷に

シンガポール
The Monetary Authority of Singapore said both the global and local economies remain subject to significant uncertainty for the rest of this year and next. PHOTO: ST FILE

シンガポール金融管理局(MAS)は、2025年前半に予想を上回る成長を示した同国経済が、年後半には試練に直面すると警告した。米国の関税引き上げや、貿易摩擦再燃、金融市場の不安定化が主なリスク要因である。

不透明感続く世界経済
MASが7月30日に公表した四半期マクロ経済レビューによると、2025年後半から2026年にかけて、世界とシンガポール経済は依然として大きな不確実性にさらされる見込みだ。関税上昇とその影響への懸念が最終需要を冷やし、主要貿易相手国の成長鈍化が予想される。その結果、シンガポールの成長も年後半には緩やかになる見通しだ。

ただし、上半期の好調を受け、2025年通年の成長率は当初予測より高くなる可能性がある。

米国関税率、4月の6.8%から7.8%に上昇
米国の対シンガポール輸出に対する実効関税率は、4月の6.8%から7.8%に上昇した。これは、6月に米国が鉄鋼とアルミニウムの関税を50%に倍増させたためで、両素材はシンガポールの対米輸出の4.1%を占める。

米国と他国との交渉は一部で進展し、中国、EU、日本、ベトナムとの関税率は4月水準より低下した。しかし、シンガポールの周辺国では、関税率が依然として10%を超える可能性が高く、同国は中間財やサービスの輸出を通じて間接的な影響を受ける。

さらに、トランプ大統領による関税停止措置は8月1日で大半の国に対して終了し、中国との「貿易戦争休戦」も8月12日に切れる。このため、前倒し受注の効果は薄れ、輸出関連部門は反動減に直面する恐れがある。

リセッション回避、成長率は前期比1.4%
シンガポール経済は第2四半期、前期比1.4%成長し、技術的リセッションを回避した。第1四半期は0.5%減だった。前年同期比では4.3%増と、第1四半期の4.1%を上回った。ただし、こうした成長は、米国の関税引き上げを見越した企業の前倒し発注や、電子機器・医薬品の関税免除による貿易部門の押し上げによる。

再輸出は第2四半期に前年同期比31%急増し、米国や台湾向けが中心だった。電子機器や機械類の輸出が大きく伸びた一方、国内輸出や鉱工業生産の伸びは限定的だった。

国内への波及と支え
外部要因による逆風は、小売や外食など国内志向の産業にも波及する可能性がある。しかし、健全な家計バランスと政府の支援策が一定の緩衝材となる見込みだ。また、建設分野や金融セクターの一部には支援要因が残っている。

MASは、投資家による高リターン追求の動きが金融部門の成長を下支えする可能性を指摘。市場は4月初めの急落から5月末にかけて回復しており、個人投資家は売られすぎ資産を買い、反発で利益を得た。機関投資家もリスク資産の比率を高め、ポートフォリオの分散を進めている。

「こうした動きにより、銀行やファンドマネージャー、外国為替・証券業者の取引活動が増加し、手数料収入を通じて経済を下支えする可能性がある」とMASは述べた。

※ソース

S’pore’s economic resilience will face headwinds in second half of 2025 from tariffs, trade conflicts: MAS
Growth expected to moderate over the rest of the year as higher global tariffs kick in. Read more at straitstimes.com. Read more at straitstimes.com.
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