シンガポール食品庁(SFA)は4月3日、インドネシア産鶏卵の輸入を承認した。これによりシンガポールの鶏卵の輸入先は2019年の12カ国から18カ国に増えた。
シンガポールで消費される鶏卵のうち国内での生産は約3分の1で、残りは輸入に依存しており、その大半はマレーシア産である。そのほか、タイ、オーストラリア、ポーランド、ニュージーランド、ウクライナ、韓国、スペインといった国々から調達している。
グレース・フー環境持続相は自身のFacebookの投稿で、インドネシアがシンガポールの新しい鶏卵の供給国となり、シンガポールの鶏卵供給を多様化するための取り組みが一歩前進したと述べている。
フー環境持続相は、「私たちは食料安全保障の強化に取り組んでいるが、世界の食料供給の不確実性から免れることができる国はないと認識している。例えば、世界的な卵不足の状況は、前例のない鳥インフルエンザの発生、サプライチェーンの問題、飼料や燃料のコスト上昇の結果である”とし、国民に食品や食材の選択には柔軟に対応することを呼びかけた。
SFAは、最近いくつかの国で鳥インフルエンザが発生し、鶏肉や卵の生産に影響が出たことを挙げ、供給の変動を排除することはできないと述べている。また、食品事業者に対し、輸入元の多様化など事業継続計画を実施し、シンガポールの食の強靭化に貢献するための措置を講じるよう呼びかけている。
インドネシア産鶏卵については以前に塩漬け卵や保存卵のみシンガポールへの輸入が認められていた。SFAの広報担当者によると、インドネシアではこれまでに、ジャカルタ西部のバンテン地方にあるファーム・パナンピングの1農場が、シンガポールへの生卵輸出の承認を得ているそうだ。
鶏に関しては、2022年6月にマレーシアの生鮮ブロイラー鶏の輸出禁止に伴い、インドネシアがシンガポールへの輸入用チルド、冷凍、加工鶏肉の供給元としてSFAから承認された。
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