シンガポール初となる完全電気フェリーが5月から運航を開始する。同フェリーはプラウ・ブコム島のShell Energy and Chemicals Parkで働く3,000人以上のスタッフと請負業者の通勤用に利用される。
同フェリーはパシル・パンジャン・フェリー・ターミナルとプラウ・ブコム島間5.5㎞を12分で結ぶ。このサービスは、Shellのスタッフや請負業者を運ぶためShellが費用を負担する。6人の乗組員で運営され、最大収容乗客数は200人。
4月17日に行われたシンガポール海事港湾庁(MPA)とShell Eastern Tradingの調印式で公開された電動フェリーの設計、建造、運航の契約は、2021年にShellが受注。2023年8月までに、さらに2隻の電動フェリーが就航する予定だ。
パートナーシップの一環として、MPAとShellは、シンガポールにおける電気式港湾船舶の採用、および低炭素・ゼロ炭素燃料の開発を共同で推進していく。Shellは電気船の充電インフラを増やす方法を検討し、MPAは予備の充電容量を他のユーザーに提供できるよう進めていく。
調印式に出席したS.イスワラン運輸相は、2050年までにネット・ゼロ・エミッションを達成するというシンガポールの取り組みにおいて、Shellが重要なパートナーであると述べた。
Shellは、ディーゼルエンジンの代わりに電気フェリーを3隻導入することで、年間6,200トン以上の二酸化炭素排出量を削減できると見込んでいる。これは、中型のガソリン車でシンガポールからバンコクまで片道18,000回移動する量に匹敵するという。また、電動フェリーは窒素酸化物、硫黄酸化物、粒子状物質などの汚染物質も排出しない。
電動フェリーは温室効果ガスの削減に貢献するだけでなく、既存のディーゼルエンジン船よりも船内が静かで、乗客の快適性を高める。毎日約3,000人の乗客を運び、年間約180万回の旅客輸送を完了すると推定されている。
プラウ・ブコム島に停泊中の船舶は、夜間やオフピーク時には、空のバッテリーを充電するのに5時間かかる低速充電と、ピーク時には1回6分の高速充電を組み合わせて充電される予定だ。
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