2030年までに食料自給率30%を目指す「30×30」計画が進行中のシンガポールでは、目標を達成するための課題がより明確化されていると専門家が指摘している。
専門家たちは、この目標を達成するための課題には、革新的な食品や代替食品の開発を継続すること、人々が口に合う食べ物に対する考え方を変えること、食品廃棄量を減らすことなどを挙げている。
国土の1%未満しか農業用地が確保されていないにもかかわらず、シンガポールは、新興企業や研究グループ、政府の取り組みを通じて、代替食品を開発し安定供給できるよう注力している。
ただ代替食品の研究開発(R&D)の財政的支援を継続することは容易でないため、研究開発をより有効なものとする必要性があると指摘する研究者も少なくない。
シンガポールETHセンターのシニア・サイエンティストであるアイリス・ハーバーコーン氏は、代替食品を生産するために開発された新技術は廃棄物全体の12%を占める食品廃棄物のアップサイクルに焦点を当てることで持続可能な食糧システムが確立できると述べている。
フード・イノベーション企業KosmodeHealthの共同設立者兼ディレクターであるフローレンス・レオン氏も食品廃棄物を既存の資源とし有効活用することの重要性を強調しており、ビールや麦芽製造の副産物である使用済み大麦粒から抽出したタンパク質と繊維を使用し、麺類や米などの主食の代替食品生産に取り組んでいる。
一方、シンガポールMIT研究技術同盟のマイケル・ストラノ教授は、「30×30」に向けた研究開発の有効性は、消費者行動にかかっているとし、代替食品の成功には、消費者の食(口に合う食べ物)に対する考え方や行動を大きく変えるが必要であると述べている。
※ソース
To attain food security in S’pore, consumers must change mindset on ‘palatable’ food
New technology developed to produce alternative food must tackle Singapore’s high food waste, say experts. Read more at straitstimes.com.