【シンガポール】3月の輸出20.7%減、半導体産業が低迷

シンガポール
The steep export contraction followed a revised drop of 0.2 per cent in February. ST PHOTO: JASON QUAH

シンガポール企業庁(EnterpriseSG)が17日に発表した2024年3月の輸出(石油と再輸出を除くNODX)は前年同月比20.7%減と、Bloombergの予想7.4%を大きく下回った。輸出の急減は主に医薬品出荷を含む非電子製品によるものだが、電子機器出荷も減少した。

NODXのうち、非電子製品は前年同月比23.2%減。医薬品部門の出荷額は70.3%減少し5ヶ月連続の伸びを止め、船舶・ボート構造物の輸出額は99.8%減少し、非電子機器の輸出額の急激な減少の主因となった。

ANZのアジア・リサーチ担当クーン・ゴー氏は、医薬品は今後数ヶ月で回復すると予想しており、むしろ主力の電子機器輸出で特に集積回路(IC)の輸出低迷が予想外だったと述べている。

3月の電子機器輸出は前年同月比9.4%減と3カ月ぶりにマイナスに転じた。電気通信機器が38.8%、ダイオードとトランジスタが11%減、そして電気機器輸出の約半分を占める集積回路(IC)が8%減と低迷した。ANZでは世界的な半導体サイクルの上昇に乗り、IC部門が好調に推移すると予想していた。

キャピタル・エコノミクスのタンドン氏は、韓国と台湾はハイエンドのメモリーチップやAI(人工知能)サーバーに使用されるチップの旺盛な需要から恩恵を受けているが、それと比べるとシンガポールへの恩恵は限定的だと述べた。

一方、DBSのエコノミスト、チュア・ハン・テン氏は、2024年のシンガポールの海外輸出の見通しがより良くなることを示唆するものとして、新規輸出受注が6カ月連続で増加(エレクトロニクス分野では4カ月連続増加)していることを挙げた。

3月の輸出額は季節調整済みで130億ドルとなり、前月の142億ドル、前年同月の157億ドルを下回った。市場別では、シンガポールの上位10カ国のうち対米輸出が50.2%減、EU向け輸出は45.4%減と大きく落ち込んだ。一方、対中輸出が11.9%増、対香港が16.5%増、対台湾2%増と明るい材料も見えた。

※ソース

Singapore key exports slump 20.7% in March, worse than expected, as chips disappoint
The drop was worse than the 7.4 per cent fall forecast by analysts in a Bloomberg poll. Read more at straitstimes.com.
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