ロシアのウクライナ侵攻によって引き起こされた燃料価格の高騰により、送迎サービスや配送サービスを提供する事業者が大きな打撃を被っている。3月13日付Sunday Timesが伝えている。
シンガポールでは3月10日時点で全てのガソリン価格が1リットルあたり3Sドル(約261円)以上を記録した。ここ数年では最も高く、経費の約30%を輸送関連コストに充てている事業者は苦しい経営が続いている。
学生や労働者向けに送迎サービスを提供するバス会社では、1台当たりのバスにかかる燃料費が1ヵ月で1,500Sドル(約12万9,000円)にまで上昇している。これはドライバー1人あたりの給料とほぼ同じ。
バス会社では、ドライバーの給与を下げることもできないうえ、現時点で送迎費用の値上げが受け入れてもらえず、高くなった燃料代の差額はバス会社が負担している状況が続いている。しかし、多くのバス会社は、事業を継続するためには顧客に送迎料金値上げについて理解してもらうしかないとの見方を強めている。
また、高騰するガソリン・ディーゼル代により自己負担を余儀なくされているのは、国内に80,000人いるタクシー運転手とGrabやGojekなどの運転手も同じ。
タクシーやハイヤーなどの需要はコロナ以前ほどなく、稼ぎづらい状況となっているため、2020年以降、運転手の数が減少している。これ以上燃料費が上がると、より多くの運転手が仕事を続けていけないことも予想される。燃料代はすでにこの2ヵ月で約2倍に跳ね上がっている。
こうした状況を鑑み、タン・シーレン人材相は、状況を監視し必要に応じてタクシーやハイヤー運転手にさらなる支援を提供する考えがあると述べた。昨年9月までは5億Sドル(約43億円)以上の支援金が支払われており、同じような救済を求める声もあがっている。
また、物流業界でも航空便、船便による輸送費に影響がでており、多くの航空会社がまもなく燃料サーチャージの導入に踏み切るのではないかとみられている。
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