シンガポール経営大学(SMU)が2023年に実施した公衆トイレの清潔度に関する調査で、6割以上のシンガポール人が清潔さに欠けていると回答した。
調査は8月から9月にかけて、コーヒーショップやホーカーセンターで働く従業員が450人を含む計9,400人を対象に実施された。
全体の66%以上が、コーヒーショップやホーカーセンターの公衆トイレは、前回調査時(2020年)と「同じぐらい汚い」か、「より汚くなった」と回答。また、国家環境庁(NEA)と公衆衛生協議会(PHC)が開始したClean Public Toilets Campaignの効果に関しては、回答者の約60%が「ほとんどない」、「全くない」と答えており、同キャンペーンの効果を肯定したのはわずか6%だった。
回答者には公衆トイレの清潔さに対する認識を0から100(0が最も否定的な認識、100が最も肯定的な認識)のスケールで評価してもらい、SMUはそれをもとにトイレの清潔度指数(Perception of TCI)であらわした。
コーヒーショップのトイレのTCIは46.84で前回調査の46.35とほぼ変わらなかったのに対し、ホーカーセンターのトイレのTCIは65.60と前回の58.23より改善した。
また、トイレの種類別の清潔度は、身体障害者用トイレが54.28で最も清潔と評価され、女性用トイレが52.33、男性用トイレが49.73と続いた。最も指数が低かったのは男女兼用トイレの36.14で、こちらは前回の42.89から悪化した。
SMUは、100以上のホーカーセンターと950以上のコーヒーショップにある2,200以上の公衆トイレを視察し、便器の清潔さや床の乾き具合などを調査。SMUの統計学主任講師ロージー・チン氏は、「食品衛生とトイレの衛生は強い相関関係にある。同調査結果が、これらの施設の食品取扱者の清潔度を高める集団的行動を促すことを望んでいる」と述べた。
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