不動産ポータル99.coおよびシンガポール不動産取引所(SRX)が8月30日(水)に発表した速報値によると、7月の住宅賃料は前年同月比で公営住宅が24.1%、コンドミニアムが21.6%とそれぞれ上昇した。
7月のHDBの賃料は前月の1.4%に対し、2.0%上昇し、37カ月連続の上昇となった。一方、コンドミニアムの賃料は前月の0.2%に対し、1.1%上昇し、2カ月連続で上昇した。
7月は賃貸戸数も増加。これは賃貸量が第3四半期に増加するという業界アナリストの予測と合致した。HDBの賃貸戸数は前月比11%増の3,320戸。コンドミニアムの賃貸戸数は前月比25.3%増の7,282戸に急増した。
業界関係者らは、経済的な不確実性や高い雇用削減水準の中で、テナントがより安価な住宅オプションに傾いていると指摘。
不動産仲介会社ERA Realty Networkのユージン・リム氏は、「中心部に位置するコンドミニアムから郊外のコンドミニアムに転居するだけでなく、一部のテナントは相対的に賃貸が低価格なHDBを選択することもある」と述べている。
99.coのルクマン氏は、HDBの賃料が上昇した背景にはコンドミニアムの賃料との大きなギャップが背景にあるという。テナントのなかにはコンドミニアムに最も近いHDBのエグゼクティブフラットを選択する傾向もあり、事実、HDBエグゼクティブフラットの賃料は4%も上昇した。他のHDBの賃貸の上昇率は2%未満だった。
コンドミニアムの賃料に関しては、郊外で1.6%上昇した一方で、市街周辺の賃料は1.1%上昇し、プライムエリアの賃料は0.7%の上昇にとどまった。
99.coとSRXの報告によると、7月のコンドミニアム賃貸戸数の内訳は、郊外が37.4%でトップ。これに続いて市街周辺が34.3%、プライム地区が28.3%だった。
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