シンガポールドルは、10月24日早朝に対マレーシアリンギットで史上最高水準となる1シンガポールドルあたり3.5086リンギを記録した。
SGD/MYRレートは、前日10月23日の夜に1シンガポールドル=3.5リンギットのラインを突破し、それ以降、大部分の時間帯で3.5リンギットを上回る水準で変動した。24日の朝9時06分に3.5リンギットをややしたまわったものの、10時13分に再び3.5を上回った。
VS Money Changerのディレクターであるタジディーン・ヴァンチラバイ氏は、過去1〜2週間、シンガポールドルが対リンギットが徐々に上昇しており、その都度、最高値に達したと判断した顧客が、リンギット買いに走ったと述べた。
同氏は、自身の店における顧客数の急激な増加は予想しておらず、リンギットへの需要はすでに満たされているとみている。
さらに同氏は、年末の休暇シーズンが近づいており、リンギットの価値が高かろうと低かろうと、多くの顧客はマレーシアに旅行にいくためリンギットの需要は一定だと述べた。
多通貨モバイル ウォレットYouTripのケルビン・ラムCEOは、リンギットのシンガポールドルに対する下落に伴い、ユーザーのリンギットでの支出が四半期ごとにに増加していると述べた。
Bloombergのデータによれば、SGD/MYRレートは2023年初めに3.2743で取引されていた。ラム氏は、YouTripのユーザーによるマレーシアリンギットでの総支出は、2023年第一四半期と比較して、前四半期は78%増加したと述べている。
シンガポール銀行の通貨ストラテジスト、シム・モー・シオン氏は、リンギットが主に米国の金利上昇などの外的要因によって弱まっていると指摘。今後も外部の逆風が続く限り、リンギットは引き続き弱まる可能性があると述べた。
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