エリック・チュア文化・地域・青少年担当上級政務次官は7月6日、スポーツへの投資は、競技者が潜在能力を最大限に発揮できるようサポートし、スポーツを通じて地域社会をひとつにまとめ、国の誇りと結束力を育むことを目的とすると述べた。
シンガポールにおけるスポーツ・エコシステムの在り方についての討論で、野党議員はスポーツへの投資額が競技者の結果に反映されていないのではないかとし、現在スポーツに割いている予算で、どれだけより効果的なことができるかが問題だと指摘した。
労働者党のジャマス・リム議員は、ほとんどの国が豊かになるにつれて国際競技大会での成績は良くなるという研究報告を引き合いに出し、シンガポールでは逆に成績不振に陥っていると、政府のスポーツ産業の活性化に向けた取り組みに疑問を呈した。
これに対しチュア担当上級政務次官は、人口の多い国々と対等に渡り合うことは難しいと認識しつつ、目標は「勝つこと」だと強調しながら、メダルを取ることだけが「勝つこと」でなく、競技者が最高のパフォーマンスを発揮できることの重要性を訴えた。また、そのために必要な8~12年にわたりサポートするスポーツ・エコシステムの開発に注力していると述べた。
シンガポールでは近年、スタジアムやプールなどの公共施設の建設・運営に毎年平均9000万ドルが費やされている。また、Sport Singapore’s Sport Excellence (Spex) Scholarshipと呼ばれる奨学金は、2022年に主要競技大会に出場する選手以外にも拡大され、2023年からは、奨学金保持者は兵役期間中も奨学金を保持することができるようになった。
新しいスポーツ、ニッチなスポーツのアスリートのために、政府はジム施設、スポーツ心理学者、競技施設へのアクセスを容易にすることにも尽力しているという。
チュア担当上級政務次官は、スポーツには人々を団結させる力があるが、それは結果に関係なく選手へのサポートがある場合に限られると述べた。
シンガポールでは、サッカー代表チームの不振や5月に開催された東南アジア大会の金メダル数が過去4大会で最も少なかったことなど、スポーツ全体的な成績不振に不満の声が挙がっていた。
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