【シンガポール】独学ハンドポークタトゥーが人気に、タトゥースタジオ数も増加

シンガポール
licelによるPixabayからの画像

シンガポールでは個性や芸術を表現する方法の1つとして若い世代を中心にタトゥー需要が高まっている。タトゥーに対するネガティブな意味合いも薄れ、最近のトレンドとしては、独学でハンドポークタトゥーを学んだ者がタトゥースタジオを開業するケースも増えている。

ハンドポークタトゥーは一針一針肌へ直接刺し点と点をつなげ線を描いていく手彫りで、マシンに比べ肌へのダメージが少ないと言われている。タトゥーマシンに投資する必要もないことから、パンデミック時に増えた在宅時間を使って独学で学ぶ若者が増えた。

シンガポールではハンドポークタトゥーに必要な材料も手軽に入手でき、YouTubeなどで必要な知識も身につけることができ、大学や高等専門学校を卒業後すぐに
タトゥーアーティストとして開業する若者も増えている。

これに対して、伝統的なタトゥーアーティストは、正式なトレーニングが必要だとし、独学でタトゥーアーティストを目指す流れに釘をさす。アラブストリートにあるタトゥースタジオ「Traditions Tattoo Collective」の創設者であるLionel Ng氏(@lionelngtattoo)もその1人である。

Ng氏によると、彼がタトゥー業界に入った1997年には、たった4軒しかなかったタトゥースタジオは現在では1000軒をはるかに超えているという。同氏は、インターネットが普及した現在では、Pinterest(画像共有ソーシャル・メディア・プラットフォーム)のアートをコピーするアーティストもおり、オリジナリティが失われつつあると警告している。

また、独学でタトゥーアーティストになることに、衛生面や経験面から反対の異を唱えるアーティストも少なくない。通常この業界への参入を希望する者は、有名なアーティストに弟子入りし、1年から3年ほどで必要なスキルと知識をすべて身につけ、最終的に自分のクライアントにタトゥーを入れるための資格を取得する。

伝統的な刺青師は、弟子入りすることで技術だけでなく衛生管理も含めた適切な準備方法やアフターケアについても学び、すべてを正確に行うことができるようになると強調する。6年以上に渡り有名アーティスのもとで修業し独立したヴァレリー・チオ氏(@r2binks)はスタジオの清潔さを保つために、適切な医療器具とベッドシーツに毎月2,000〜3,000ドルを費やしているという。

国立皮膚センターのコンサルタントであるでヘン・ジュン・キー博士は、タトゥーを入れた人の約1%から5%はタトゥーインクによる発疹や感染症を経験し、皮膚感染症にかかるリスクも高くなると警鐘を鳴らす。さらにホームタトゥーを行うアマチュアタトゥーアーティストや独学でタトゥーアーティストとなった者は、適切な感染予防と管理のトレーニングを受けていない可能性があると指摘している。

※ソース

Self-taught tattooing gains popularity in Singapore: Low-cost trend or health risk?
Hand-poke tattoos gained popularity during the pandemic, when young people used the extra time they had to experiment with body ink at home.  Read more at straitstimes.com.


タイトルとURLをコピーしました