K.シャンムガム内務相は1日、シンガポール人を含む多くの観光客が訪れるタイでの大麻合法化は、地域に多くの課題をもたらすことになると、マレーシアの放送局Astro Awaniの質問に答えた。
同内務相は、シンガポール代表水泳選手でリオデジャネイロオリンピック金メダリストのジョセフ・スクーリングらが海外で大麻を摂取したことを告白した件について、現在薬物を使用しているという明確な証拠があれば、摂取が国内か海外かに関係なく、シンガポール当局が行動を起こすだろうとFacebookの投稿で述べていた。
大麻の使用については有害で中毒性があることを示す研究結果があり、脳損傷、脳の縮小、深刻な精神・心理的疾患を引き起こす可能性があると指摘したうえで、シンガポールでは、医師が医療目的で必要とする場合、医学的な助言に基づいて大麻の使用が認められているとも述べた。
タイの現状については、学校を大麻禁止区域にし公共の場での喫煙を禁止し、妊娠中や授乳中の母親への大麻の販売を禁止するなど、未成年者や社会的弱者を保護するための措置も講じるなど対応に追われていることも指摘した。
マレーシアの保健省が医療用大麻の合法化を研究・検討していることに関しては、タイ-シンガポール間に比べてマレーシア-シンガポール間の人の流れのほうが多いことから、シンガポールを薬物のない状態に保とうとすることはより困難になると述べた。
マレーシアが死刑制度の廃止を計画していることを受けて、シャンムガム氏は、強制的な死刑執行には非常に高い抑止効果があることを強調したうえで死刑制度は政府の麻薬に対する政策の一部であると述べた。
さらに、シャンムガム氏はマレーシアの法制度が変わったからというだけで、シンガポール政府が従来の考え方を変えることはないと明言。抑止効果がなくなったり、状況が変わったりして、抑止力を発揮するために別のアプローチを採用する必要があると考えたときに、死刑制度を見直ことになると述べた。
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