シンガポール政府観光局(STB)は1月17日、2023年通年の外国人観光客数が1200万人から1400万人に、観光収入が180億ドルから210億ドルに達すると予測した。観光業が完全に回復するのは2024年になると見込んでいる。
シンガポールでは2019年に外国人観光客数が1910万人で観光収入は277憶ドルを記録しており、STBの2023年通年の予測はパンデミック前の観光実績には及ばないが、コロナの新しい変異株が流行しないこと、中国の国境再開が継続すること、国際線のキャパシティが引き続き増強されることなど、いくつかの要因に基づいている。
一方で、STBチーフエグゼクティブのキース・タン氏は、世界経済の減速や他国による国境規制の導入などが悪影響を及ぼす可能性にも言及。懸念されるインフレ圧力については旅行需要でシンガポールの主要な市場に与える影響は比較的小さいだろうと述べた。
タン氏は、シンガポールの主要市場である東南アジアや、これから開国が本格化する中国では、インフレ圧力は比較的抑制されており、ヨーロッパや米国ほどではないと主張。海外パートナーからの一貫したフィードバックによると、シンガポールへの旅行者は旅費が多少高くても受け入れる傾向にあるという。
シンガポール政府は2022年、パンデミック後の持続可能な観光を目指し、レジャーとビジネスの両面で外国人旅行者の誘致に取り組んだ。2023年以降も成長を維持するために、年間を通じて充実したイベントを開催し、旅行消費者の需要に応えるために旅行業界を引き続き支援する。
2023年のイベントスケジュールは、Singapore Art Weekの一環として開催される東南アジア最大のアートフェアArt SGと、先週アジアデビューを飾ったSailGPで幕を開けた。今年はオリンピック・エスポート・ウィークやプロフェッショナル・トライアスリート・オーガニゼーション・アジア・オープンなどシンガポールで初めて開催されるイベントも多い。
STBは、MICE(会議、インセンティブ、コンベンション、展示会)、も引き続き成長の原動力となると見込んでいる。今年は、ハーバライフ・アパック・エクストラバガンザや第25回世界皮膚科学会といったMICEイベントもシンガポールで開催される予定だ。
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