【シンガポール】インドネシアとの“ツイン拠点”モデル、企業のサプライチェーン強化に寄与:EDB

シンガポール
Schneider Electric's smart factory in Batam manufactures products that are shipped via Singapore to customers around the world. PHOTO: SCHNEIDER ELECTRIC

シンガポール企業の間で、国内業務とインドネシアのバタム、ビンタン、カリムン(BBK)を組み合わせた「ツイン拠点」モデルの採用が広がっている。経済開発庁(EDB)によれば、この組み合わせにより互いを補完する二拠点体制が構築でき、事業運営の強化につながるという。

シンガポールはBBK地域への主要投資国であり、2023年以降はバタムの最大外国投資国となっている。2025年上半期には、シンガポール企業がバタムへ7.9兆ルピア(約6億1,400万シンガポールドル)を投資し、これは同島の外国直接投資の69%を占めた。

EDBのパン・チョンブーン会長は11月18日のBBKビジネスフォーラムで、「シンガポール拠点の製造企業にとって、BBKは経済的かつ戦略的な後背地である。シンガポールから近い位置で土地や人材を確保できる」と述べた。また「BBKは企業が東南アジアで事業を拡大し、サプライチェーンを強化するための競争力ある拠点であり、同地域最大の経済国であるインドネシア市場への新たな商機獲得にもつながる」と語った。

この戦略は、フランスの電機大手シュナイダーエレクトリックでは20年以上にわたり成功してきた。同社はバタムのスマート工場で電力システム向け部品を製造し、シンガポールの流通センターに集約した後、世界の顧客に出荷している。東アジア担当の物流・計画部門副社長プラディープ・シン氏は「バタムは強力な産業エコシステム、熟練労働力、そしてコスト競争力を持つ」と述べた。さらに「物流ハブであるシンガポールとの近さが両拠点の補完性を高め、企業のレジリエンスと生産の柔軟性を向上させている」と説明した。

外国投資はリアウ諸島州の経済成長も後押ししている。同州は2025年第3四半期に前年比約7.5%の成長を記録し、全国で3番目に高い伸びとなった。期間中、外国投資は約32兆ルピア、国内投資は16.9兆ルピアに達した。

インドネシアのエルランガ・ハルタルト調整相は、政府はBBK地域への投資障壁の引き下げに引き続き取り組んでいると述べ、「これらの政策がバタム、ビンタン、カリムンへの投資拡大の原動力になっている」と語った。

EDBとインドネシア経済担当調整省の二国間作業部会は国境を越えた連携を強化しており、特に2024年10月にBBKがシンガポール永住権保持者を含む14カ国にビザ免除を拡大したこと、フェリーターミナルに導入されたeゲートが旅行者の流れを改善したことが挙げられると、パン氏は述べた。

さらに2025年6月にシンガポールとインドネシアの間で締結された協定は、産業の脱炭素化やBBKのグリーン経済分野への新規投資促進にも寄与するとしている。

バタムのノンシャ・デジタルパークは、シンガポール企業向けの技術・データセンターハブとして存在感を高めており、IBM、Apple、Unreal Engineといった企業が2021年以降8,000人を同地で育成してきた。

シュナイダーエレクトリックは今後、BBKでイノベーション、自動化、先端製造への投資をさらに強化する方針だ。同社はまた、ジョホール・シンガポール特別経済地域(SEZ)への拡大の可能性も検討している。

シン氏は「新拠点を立ち上げる際は、既存の産業エコシステムの強さ、熟練労働力の供給、政府インセンティブの水準の3点を重視している。ジョホールではいずれも着実な進展が見られる。今後の製造業の成熟度を踏まえ、将来の投資戦略を検討していく」と述べた。

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