農業農村開発省は1日、アフリカ豚熱(ASF)のワクチン開発に成功したことを明らかにした。公式発表は3日に行い、世界で初めてワクチンの商業利用に向けた生産を承認する。
ワクチンの商品名は『NAVET-ASFVAC』で、中央獣医薬株式会社(Navetco)が生産する。ベトナムでは米国の専門家と共同で2020年からワクチンの開発を進めてきた。
これまで5回の臨床試験により、ワクチン接種された豚の少なくとも80%で発症予防効果が確認された。また抗体は6ヵ月に渡り持続されることも証明された。
同省は、ワクチンの安全性と有効性を評価するために、科学評議会を設置し多くの科学者が参加した。ベトナム獣医局は5月に米農務省農業研究局からワクチンの安全性と効果について確認できたという内容の書簡が受け取った。
フン・ドゥック・ティエン農業農村開発次官によると、これまでにASFウイルスとワクチンの開発に関する4,000以上の研究論文が発表されているが、現時点で商業ワクチンは存在しない。
『NAVET-ASFVAC』は今後、生後8〜10週間の豚に約60万本接種される。農業農村開発省は接種後の報告書をもとに今後の展開について決定を下す。
Navetcoのチャン・スアン・ハン副社長は、ワクチンの費用は1回あたり34,000〜36,000 VND(190~201円)になるとし、すでにASFの被害にあっているドミニカ共和国からワクチンの供給依頼があったことを明らかにした。
ベトナムでは2019年にASFが発生し、7カ月間で全国63省に感染が広がり、2021年にも60省で感染が確認され28万8,660頭の豚が殺処分された。損害額は30兆VND(約1670億円)に上り、350万世帯の養豚農家や数百社の養豚業者に悪影響を及ぼした。
※ソース

域内のアフリカ豚熱関連ニュース
【タイ】ペットの子ブタから国内初のアフリカ豚熱ウイルス、全国の養豚場を検査へ