ネスカフェなどのインスタントコーヒーに使われるロブスタ種の世界有数の供給国ベトナムで、干ばつ、熱波、高温と乾燥の条件下で繁殖する害虫がコーヒーの木の成長を阻害し、収穫量に影響しそうだ。
ベトナムコーヒー・ココア協会のグエン・ナム・ハイ会長はAFP通信に、10月に収穫が始まる2024年から25年のコーヒー豆の収穫量は、通常より15%から20%少なくなりそうだと語った。
ベトナムのコーヒー生産地の中心である中央高原の山岳地帯ジアライ省では、高温と少雨により害虫コチニラが繁殖。灼熱とコチニラはコーヒーの枝を傷つけ、コーヒーチェリーの品質に悪い影響を与えているという。
ベトナムのコーヒー生産量は年間平均約180万トン。大半は輸出され、その半分はヨーロッパ市場向けである。
米国の市場調査会社StoneXは、ベトナムの今年のコーヒー生産量は過去4年間で最低の140万トンにしか達しないのではないかと予測した。
ベトナム中部と南部は、3月と4月に数週間にわたり記録的な高温を記録し降水量も極めて少なかった。ここ数週間は降雨があったが、コーヒーの木の育成には不十分だという。気候変動は数十億ドル規模のコーヒー産業にとって深刻な懸念であり、科学者たちは収穫量の減少と栽培に適した地域の縮小を予測している。
ロブスタ種は、競合するアラビカ種に比べて気温の上昇に対応しやすいと考えられてきたが、ワールド・コーヒー・リサーチ社によれば、消費傾向の上昇と気候危機の影響により、2040年までにロブスタ種も最大3,500万袋不足する可能性があるという。
※ソース
Vietnam’s coffee trees stunted by drought, heat and pests
Global coffee prices have climbed rapidly in 2024. Read more at straitstimes.com.