新型コロナウイルスによるパンデミックはベトナムの観光産業とホスピタリティ産業に悪影響を及ぼしたが、国内ではステイケーションが人気を博し、多くの観光客が贅沢なプランを選択している。
ベトナム政府観光総局傘下の観光開発研究所によると、高まるステイケーション人気は大都市の観光セクターの回復に大きく貢献しているという。
10月1日に外出制限措置が解除されると、オンライン旅行代理店(OTA=Onling Travel Agent)大手TravelokaとiVIVU.comではホテル予約が急増。ホテル側も、短期的には、部屋の無料アップグレードやアーリーチェックインなど多くの特典をつけたステイケーションパッケージが人気となると予測していた。
パンデミックで複数の宿泊施設が閉鎖に追い込まれたものの、Fraser Suites Hanoiは高級ホテル、高級ショップ、高級レストランの立ち並ぶスアンデュー通りに5つ星ホテルに匹敵する高級タワーをオープンした。通常は日本人をはじめ外国人向けに長期滞在用として提供しているが、現在はミレニアル世代向けにステイケーション先として提供している。
Fraser Suites HanoiのSandy Ng氏は「ベトナムの経済は順調に成長しており、ミレニアル世代は、素晴らしい経験が出来ることに対してお金を惜しまない」という。ベトナムでは遠隔地に出かけることがまだまだリスクをともなうため、贅沢を楽しむにはステイケーションが最適だという。
高級リゾートを手掛けるSUN GROUPのNguyen Van Binh氏は、「コロナ後に観光客を引き付けるための重要なポイントは、新たなニーズに対応する安全な対策、製品、サービスであり、ウェルネスツーリズムが世界の観光市場をリードしていく。」と述べた。
5つ星ヨットのビジネスを専門とCEO Lux GroupのPham Ha氏は、ヨットリゾートサービスは必需品が完備されておりドア‐ツー‐ドアの移動プロセスと限られた空間での経験を満喫できること、人との接触を最小限とし安全が確保できることを理由に人気が高まっているという。CEO Lux Groupも11月初旬から予約が増えている。
専門家によると、ベトナムのホテル産業は国内の宿泊客で80%を占めており、パンデミック後にはすぐに国内観光産業は力強い回復をみせるという。現在、国内の4〜5つ星ホテルは、国内顧客を魅了するためのプロモーションパッケージの提供を強化しているが、今後は「ワクチンパスポート」で外国人旅行客に門戸を開くことが極めて重要となる。
米国のグローバル経営コンサルティング会社であるMcKinsey & Companyは、ベトナムでの国内旅行の需要は、国内の支出増加のおかげで比較的急速に回復していく述べ、観光セクターは2024年までにパンデミック前のレベルに完全に回復する可能性があると推定している。
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