【タイ】外国人観光客に450バーツの観光税を導入へ 「量」から「質」への転換を目指す

タイ
The Thai government wants to move the tourism industry towards a higher-value and more sustainable model, rather than relying primarily on continued growth in visitor numbers. PHOTO: EPA

タイ政府は、外国人観光客を対象に1人450バーツ(約17シンガポールドル)の観光税を導入する方針を示した。観光地やインフラの整備、環境保全、観光人材の育成、外国人旅行者向けの保険などに充て、観光産業を「観光客数の拡大」から「高付加価値で持続可能な観光」へ転換する狙いだ。

徴収した資金は「観光振興基金」に組み入れられる。タイ旅行業協会(ATTA)は、年間約100億バーツの政府予算外の財源を確保できる可能性があると試算している。政府は、限られた国家予算への依存を減らし、観光産業の競争力を中長期的に高めたい考えだ。

今回の制度では、外国人旅行者が450バーツを一度支払えば、30日間は複数回の入出国が可能となるほか、同期間の保険・医療保障も付与される予定。支払い方法は航空券への上乗せ、ウェブサイト、モバイルアプリ、決済端末などを想定している。

導入は段階的に進められ、まず航空便での入国者を対象とする。官報掲載から180日後の施行が予定されており、2027年の開始が見込まれている。陸路・海路については、国境検問所の混雑などを考慮し、航空便での徴収開始後、さらに約360日間の準備期間を設ける方針だ。

背景には、外国人観光客数の伸びが鈍化するなか、観光地の環境負荷やインフラ整備などの課題が増していることがある。政府は、今後は単純な訪問者数の増加ではなく、観光客の消費額や滞在の質、環境保全、地域社会への利益還元を重視する必要があるとみている。

一方、観光業界は制度そのものを支持する一方、基金の使途や運営に関する透明性の確保を求めている。業界関係者からは、観光事業者が基金の運用方針に関与できる仕組みや、会議・意思決定の公開を求める声も出ている。

現在、政府は8月24日から9月28日までパブリックコメントを実施しており、今後、国家観光政策委員会での検討を経て、閣議承認を受ける必要がある。現時点ではまだ徴収は始まっておらず、正式導入には今後の承認手続きが必要となる。

今回の観光税は、タイが長年進めてきた大量集客型の観光政策から、「より少なくても、より高品質で持続可能な観光」へと軸足を移す象徴的な政策となりそうだ。

※ソース

Thailand proposes $17 fee to fund tourism upgrade
Collection would begin with travellers arriving by air. Read more at straitstimes.com. Read more at straitstimes.com.
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