シンガポール上場の小売大手DFI Retail Group(DFI)は、シンガポールを含むアジア7市場で展開するスターバックス事業を完全取得する。これに伴い、香港のHongkong Caterersとの長年にわたる50対50の合弁関係を解消する。
DFIは9月29日、シンガポール取引所(SGX)への届け出で、Maxim’s Caterersの再編に伴い、同社が保有する50%の持ち分をHongkong Caterersに譲渡し、約3億4,000万米ドル(約4億3,400万シンガポールドル)を受け取る一方、スターバックス事業を直接取得すると発表した。取引は2027年第1四半期末までの完了を予定している。
対象となるスターバックス事業は、シンガポール、香港、マカオ、タイ、ベトナム、カンボジア、ラオスの7市場で1,100店舗以上を展開している。取引完了後、DFIはスターバックスのブランドを保有する米Starbucks Corporationと連携し、店舗拡大や運営、投資に関する意思決定を直接行うことになる。
一方、Hongkong CaterersはMaxim’sの残る事業を単独で保有し、1,000店舗以上を展開するレストラン、ベーカリー、ケータリング事業を引き続き運営する。Maxim’sがアジアで展開するブランドには、Genki Sushi、Ippudo、Shake Shack、The Cheesecake Factoryなどが含まれる。
DFIは今回の取引について、他社との合弁事業への出資を中心とする従来の事業構成から、自社で経営をコントロールできる事業に重点を置く戦略への転換を進めるものと説明している。
DFIは近年、事業ポートフォリオの再編を進めており、2025年にはCold Storage、CS Fresh、Giant、Jason’s Deliなどを含むシンガポールの食品小売事業を、マレーシアのMacrovalueに1億2,500万シンガポールドルで売却した。
今回のスターバックス事業の完全取得により、DFIはアジア7市場にまたがる大規模な外食・消費者向け事業を直接運営することになる。DFIは、取引完了後、同事業がグループの売上高と営業利益率に寄与すると見込んでいる。
なお、DFIとHongkong Caterersによると、移行期間中もスターバックスおよびMaxim’sの店舗運営に変更はなく、通常通り事業を継続する。

