ベトナムでは、今年、コンサートや旅行、高級レストラン、フェスティバルへの支出が前年より42%増加しており、これは東南アジア地域の平均増加率35%を上回る結果となっている。シンガポールのUOB銀行が実施した調査によると、特に1997年から2012年生まれの「Z世代」の47%がこの「体験型消費」に多くの支出をしていることが明らかになった。
さらに調査結果によれば、ベトナムの消費者は自国の経済に対して非常に楽観的な見方を持っている。約70%の回答者が今後6~12か月間の経済見通しに自信を持っていると回答しており、これは地域平均より18ポイント高い数値となっている。楽観的な経済観は、消費者の購買活動や支出意欲にも影響を与えている。
また、ベトナム人の海外での支出も他国の消費者を上回っており、約71%の回答者が過去1年以内にASEAN諸国でのビジネスやレジャーにお金を使ったと回答した。この数値は地域平均の66%を上回り、特にタイやシンガポールが人気の渡航先となっていることが分かった。
UOBベトナムの個人金融サービス責任者であるポール・キム氏は、「ベトナムの消費者が地域経済の状況に対して高い楽観度を持っていることは非常に喜ばしいことであり、この前向きな姿勢が越境消費の増加に繋がっている可能性がある」と述べ、ベトナムの経済成長に対する期待感を示した。
また、ベトナムの消費者は個人の経済状況についても楽観的であり、90%が2025年6月までには経済的に安定または向上すると予想している。この結果はインドネシアの89%、タイの82%と続いており、ベトナムの消費者の将来に対する自信が際立っている。
しかし一方で、ベトナムの消費者の77%は依然として財政面での懸念を抱えていることも事実であり、特にインフレの上昇や家計費の増加が主な心配事となっている。この調査は、UOBが実施するASEAN消費者意識調査の一環で、シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシア、ベトナムの5,000人の回答者を対象に、2024年5月から6月にかけて行われたものである。
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