マレーシア政府は、ニュージーランド産ハラル製品のASEAN市場展開に向けたハブ機能を担う方針を明らかにした。ザヒド副首相が7月16日、クアラルンプールで開催された「マレーシア・ニュージーランド ハラルフォーラム」にて発表した。
同氏によれば、マレーシア連邦政府総理府イスラーム開発庁(JAKIM)から認証を受けたニュージーランドの2団体が、同国を通じてASEAN市場への流通を図る計画にあり、これを政府として後押しする。
また、2025年9月にクアラルンプールで開催予定の「マレーシア国際ハラル見本市(MIHAS)」へのニュージーランド企業の参加を呼びかけ、同イベントではASEANおよび周辺国による「ASEANハラル評議会(仮称)」の設立構想が正式に発表される見込みだ。
この評議会は、ASEAN域内におけるハラル認証制度の標準化を目的としており、10月開催予定のASEAN首脳会議で議題として取り上げられる予定である。なお、評議会には中国、日本、韓国など「ASEANプラスプラス」諸国の参画も想定している。
加えてザヒド氏は、湾岸協力理事会(GCC)加盟国との間で、休止状態にある「世界ハラル評議会」の再始動に向けた協議も進んでいると明かした。これは、イスラム諸国のみならず、非イスラム諸国も含むハラル関連国の連携強化を目指すものだ。
世界のハラル市場は現在、年間1.3兆米ドル規模だが、2030年には3.7兆ドル、2050年には5兆ドルに成長すると予測されている。マレーシアはこの市場の5%獲得を戦略目標として掲げる。
ニュージーランド政府側も協力姿勢を示している。アンドリュー・ホガード バイオセキュリティ・食品安全担当相は、マレーシアがニュージーランド産高級ハラル食肉製品の重要市場であり、現在の輸出額は6,000万NZドルを超えていると説明。同国の複数のハラル施設がマレーシア市場への初参入を目指しており、認可取得が輸出拡大の鍵になると述べた。
今回のフォーラムでは、マレーシアのクアラルンプール大学(UniKL)とニュージーランドのカンタベリー大学(UC)の間で、学術・研究連携に関する覚書(LoI)も締結。協力分野には化学工学、ハラル食品システム、持続可能な食品生産などが含まれる。
また、別のイベントでは、マレーシアのユニバーシティ・ポリテック・マレーシア(UPTM)とニュージーランドのビクトリア大学ウェリントン校(VUW)が連携文書に署名。共同研究、学生・教員の交流、カリキュラム共有、実践型教育プログラムなどの推進を目指す。
ザヒド副首相は、7月14日から5日間の日程でニュージーランドを訪問中。今回の訪問は、両国間のハラル分野における戦略的パートナーシップを一段と強化する契機となっている。
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