2027年1月の開業が予定されるシンガポールとマレーシアを結ぶRTSリンクを見据え、ジョホールバル(JB)中心部周辺で、古い住宅街の商業化が急速に進んでいる。築年数の経ったバンガローや戸建て住宅が、カフェやレストラン、美容サロン、イベントスペースなどに改装され、静かな住宅街が新たなライフスタイル拠点へと変貌しつつある。
その一例が、タマン・アバドに開業した「Shuu Patisserie」だ。26歳のアニー・ロー氏は、月約1万リンギットで借りた古いバンガローを、約50万リンギットを投じて欧州のコテージ風カフェに改装した。RTS開業後に増加が期待されるシンガポール人客の取り込みも視野に入れている。
タマン・メロディーズ、タマン・セントーサ、タマン・ペランギなどでも同様の動きが広がっており、4地区だけで約300の飲食店が営業している。地元不動産関係者によると、RTSを契機にシンガポール人の飲食・ウェルネス需要を取り込もうとする事業者の進出が加速しているという。
一方、商業化に伴う賃料上昇も顕著だ。あるカフェでは、2023年に月7,000リンギットだった賃料が、2026年の契約更新時には1万8,000リンギットまで上昇。それでも週末の予約客の約7~8割をシンガポール人が占めるなど、旺盛な需要を背景に営業を続けている。
シンガポール・ビジネス連盟などの共同調査では、RTS開業後の2027年、シンガポール人によるJBでの追加消費額は10億5,000万シンガポールドルに達し、国境を越える往来も51%増加すると予測されている。
ただし、急速な商業化は地域住民に新たな負担ももたらしている。交通渋滞や騒音、駐車スペース不足に加え、住宅を無許可でホステルとして利用するケースなどへの苦情も増加している。
RTSリンクはJBに大きな経済効果をもたらすことが期待される一方、賃料高騰による地元事業者への圧力や、住宅街の商業化に伴う住環境への影響をどう抑えるかが、今後の重要な課題となりそうだ。
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