シンガポールの美容サロンが、2027年に予定されるジョホールバル・シンガポール高速鉄道(RTSリンク)の開業を見据え、サービスの質や利便性を高めている。
現在も、低価格を求めてJBの美容サロンを利用するシンガポール人は多い。RTS開業後はウッドランズ・ノースとJBのブキ・チャガール間を数分で移動できるようになり、シンガポール人のJB訪問がさらに増えると予想されている。調査では、JBへの往復訪問が年間51%増加し、美容サービスも主要な支出分野の一つになると見込まれている。
こうした競争激化を受け、シンガポールのサロン各社は、単純な価格競争ではなく、顧客体験や利便性を武器に差別化を図っている。
フェイシャルサロン「Peachy Skin Bar」は、店舗を改装して開放的なラウンジを設け、無料ドリンクや施術の合間の肩のマッサージなどを提供。施術そのものだけでなく、店舗で過ごす時間全体の質を高めている。
一方、まつげサロン「Perky Lash」は、JB店の価格をシンガポール店より20~30%低く設定する一方、シンガポールでは自宅やオフィス、病院などにスタッフが出向く訪問サービスを開始した。忙しい顧客の「時間」を取り込むことで、JBへ足を運ぶ必要性を減らす狙いだ。
ヘアサロン「Picasso Hair Studio」も、価格以外の価値を重視する。店舗の立地を生かし、子どもの塾の待ち時間に利用できる利便性などを訴求している。
RTSによってJBへのアクセスが大幅に改善されても、国境を越えるための移動時間は残る。こうしたことから業界関係者は、今後の顧客獲得では価格だけでなく、施術の質、利便性、顧客との信頼関係、アフターサービスなどを含めた総合的な価値が重要になるとみている。
RTSの開業はシンガポールの美容業界に新たな競争をもたらす一方、各社に自社ならではの強みを明確にすることを促す契機にもなりそうだ。
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