シンガポールが2025年の「グローバル・スタートアップ・エコシステム指数」で世界4位に浮上した。前年の5位から順位を上げ、イスラエル、英国、米国に次ぐ位置づけとなった。ビジネス環境の整備やディープテック分野での積極的な支援策が評価された。
同指数は、スタートアップ関連のリサーチプラットフォーム「StartupBlink」が毎年発表しているもので、2025年版では118カ国を対象にスタートアップ・エコシステムの成熟度を評価した。シンガポールは2020年の16位から5年で12ランク上昇し、世界で最も急成長しているスタートアップ拠点の一つとされている。
報告書は、シンガポールのビジネスに優しい制度設計や、スタートアップ支援体制の整備を高く評価した。投資家の存在感、起業機会へのアクセス、国際的なテック企業や大手企業の集中、そして優れた人材の確保といった要素が順位上昇の要因とされている。
また、フィンテックやフードテック、人工知能(AI)、先進製造業といった分野での取り組みも強調された。特にディープテック分野においては、政府の支援を受けながら世界的なプレゼンスを高めており、戦略産業の育成が着実に進んでいる。
シンガポール国内の大学も重要な役割を果たしている。高度な研究人材の育成に加え、大学発スタートアップとの連携やキャンパス内での起業支援プログラムを通じて、イノベーションの土壌を形成している。
エンタープライズ・シンガポールのイノベーション担当副マネージングディレクターであるエミリー・リュー氏は、「シンガポールのスタートアップ・エコシステムは、安定性、資源、マーケットアクセスを提供しつつ、世界中の優秀な人材との協業を可能にしている」と述べ、「科学技術に基づくソリューションを持つグローバルスタートアップが、シンガポールを拠点として成長・展開することを期待している」と語った。
シンガポールの成長は、投資環境の充実とも連動している。エンタープライズ・シンガポールと調査会社ピッチブックによる2025年4月の報告によれば、2024年のASEAN地域におけるベンチャーキャピタル投資の約60%がシンガポールに集中し、取引総額は48億米ドル(約62億5,000万シンガポールドル)に達した。
さらに2024年10月には、政府がディープテック系スタートアップへの支援強化のため、4億4,000万シンガポールドルを追加投資することを発表した。これは「Startup SG Equity」スキームへの上乗せとなり、同スキームの総額は10億シンガポールドルを超える規模となる。
2025年4月には、エンタープライズ・シンガポールと経済開発庁(EDB)が共同で戦略的投資プラットフォーム「SG Growth Capital」を立ち上げた。両機関の専門知見を結集し、スタートアップに対する資金支援と事業成長の後押しをさらに強化していく方針である。
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