シンガポール中心部の大型商業施設「マリーナ・スクエア」が、2027年3月31日に閉鎖され、2031年の完成を目指して大規模な再開発が行われる。9月1日に突然発表された計画を受け、テナントからは移転先の確保や高額な移転費用、補償をめぐる懸念が相次いでいる。
多くのテナントは閉鎖を9月1日朝に初めて知らされた。賃貸契約が閉鎖後まで残っている店舗もあり、早期退去に伴う補償や移転時期について、十分な説明を求める声が出ている。
ゲーム施設「Lava Floor」は、移転先をまだ確保できておらず、移転には内装工事や物流、人件費など多額の追加コストが発生すると指摘。キッチン・バス用品販売の「Econflo Systems」も、2023年のショールーム開設時に約100万シンガポールドルを改装費に投じたとして、移転による損失を懸念している。
書籍・玩具店の「The Toy Folks」も移転先を探しているが、上昇する賃料が小規模な独立系店舗にとって大きな負担となっている。同店はオーチャード・ロードの店舗とオンライン事業を維持しながら、今後の展開を検討する。
一方、建築設計会社DP ArchitectsはSingPost Centreへ、私立教育機関PSB AcademyはTai Sengへ移転する計画をすでに進めている。また、コワーキング事業者JustCoはマリーナ・スクエアの利用者をシンガポール国内の他拠点へ移す方針で、再開発完了後の2031年に再び入居する可能性にも含みを持たせている。
今回の再開発では、商業施設の刷新に加え、49階建ての高級住宅204戸、304室のホテル、260戸のサービスアパートメント、オフィスなど3棟の新タワーが整備される。既存の3ホテルは工事期間中も営業を継続する予定だ。
再開発を手掛けるSingapore Land Group(SingLand)は、テナントと協議しながら移転や退去のスケジュールを進め、影響を最小限に抑えるとしている。
長年営業してきた店舗にとっては、突然の閉鎖による移転コストや顧客離れが大きな課題となる一方、再開発後のマリーナ・スクエアが、住宅・ホテル・オフィス・商業施設を融合した新たな複合型エリアとしてどのように生まれ変わるかが注目される。
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