2023年、シンガポールの家庭が子どもの学校外授業に費やした費用が18億ドルに達した。政府の最新調査によると、教育サービスへの支出は増加を続けており、特に家庭教師、塾、幼児教育が大きな要因となっている。
政府の最新調査結果では、学校外授業の費用は過去10年で大幅に増加していることが分かった。2013年には11億ドルだった支出は、2018年に14億ドル、2023年には18億ドルにまで拡大した。学校外授業の費用には、家庭教師や教育センターで行われる授業が含まれている。
この調査は2022年12月から2023年12月にかけて13,100世帯を対象に実施され、2024年12月にシンガポール統計局から発表された。調査は5年ごとに行われ、家庭の支出、貯蓄、収入に関するデータを収集するものである。
家庭の月間支出の内訳では、住宅、食品、交通が全体の63.2%を占めており、教育や医療がこれに続く。教育関連の支出では、学校外授業の費用が特に顕著に増加しており、1世帯あたりの月平均支出は104.80ドルであった。これは2018年の88.40ドルから増加し、2013年の79.90ドルと比較するとさらに顕著な伸びを示している。
学校外授業の費用は世帯の所得水準によって大きな差があり、上位20%の高所得世帯では月平均162.60ドルを支出している一方、下位20%の低所得世帯は36.30ドルにとどまっている。
また、家庭全体の教育関連支出も増加している。幼稚園から大学までの授業料、国内外の大学の学費、家庭教師や各種教育コース、教科書や参考書代を含む月間平均支出は、340ドルから404.20ドルに上昇した。2023年にはシンガポールの居住者世帯数が約142万世帯に達している。
南洋工科大学教育学部のジェイソン・タン准教授によれば、シンガポール政府が学業負担の軽減を目指した改革を進めているにもかかわらず、学校外授業の需要は依然として高く、今後も成長が続く見通しである。
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