【シンガポール】シェンション、純利益6.1%増 新規出店と特需寄与

シンガポール
The improved performance came despite operating costs rising 12.4 per cent to $81.6 million.ST PHOTO: GAVIN FOO

スーパーマーケット大手のシェンション(Sheng Siong)は、2025年3月末までの第1四半期において純利益が前年同期比6.1%増の3,850万シンガポールドルとなった。新規出店による売上拡大と、3月のハリラヤ期間中の特需が業績を後押しした。売上高は7.1%増の4億300万ドルに達し、営業コスト増にもかかわらず、利益成長を確保した。

同社は、2024年度および2025年第1四半期に合計8店舗を新規開店しており、これが売上成長に寄与した。また、イスラム教徒の祝祭であるハリラヤに関連する消費が活発だったことも、業績を支える要因となった。売上総利益は前年同期比10.2%増の1億2,200万ドルとなり、1株当たり利益も2.57セントへと増加した。

一方で、営業費用は12.4%増の8,160万ドルに達した。内訳としては、管理費が1,580万ドル(8.8%増)、販売・流通費が6,580万ドル(13.3%増)であった。これらの増加は、好業績に伴う変動賞与の上昇、雇用者福利の強化、新規店舗向けの人材採用による人件費増などが要因である。

営業活動によるキャッシュフローは、銀行や取引先への支払い増により1,010万ドル減少したが、同四半期に創出されたキャッシュフローは3億6,690万ドルと、前年同期比で3.8%の増加となった。

リム・ホック・チー最高経営責任者(CEO)は、地政学的な緊張を背景にしたマクロ経済の不透明感に言及し、「消費者は今後も慎重な支出を続け、価格に見合った価値を重視する傾向が強まるだろう」と述べた。加えて、政府による各種支援策が消費を下支えし、スーパーマーケット業界にとって追い風になるとの見方を示した。

今後の課題としては、人材の確保と定着、投資コストの上昇、規制報告の強化などにより、小売業界の利益率が圧迫される可能性があると指摘した。こうした状況に対応するため、同社はサプライチェーンの拡充や販売構成の見直し、コア業務への集中を通じて、業務効率と生産性の向上に取り組んでいくとしている。

今後の出店計画については、6カ所の新規出店がすでに決定しており、いずれも今年第3四半期までに開業予定である。また、さらに4件の入札結果を待っている段階であり、長期戦略に沿った店舗網の拡大を引き続き検討していくとしている。

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