【マレーシア】Zus Coffee、東南アジアで新規店舗拡大へ

シンガポール
Zus overtook Starbucks as Malaysia’s largest-coffee chain in early 2024, with 743 outlets.PHOTO: BT FILE

マレーシア発のコーヒーチェーン店Zus Coffeeは、2024年初頭、店舗数においてスターバックスを上回り、マレーシア最大のコーヒーチェーンとなった。これを受け、「Zus Coffee」を展開するZuspresso社は2025年中に東南アジア地域で約200店舗の新規出店を計画している。

同社は、マレーシア国内で少なくとも107店舗を追加し、フィリピンで約80店舗、シンガポールでは6店舗の新設を予定していると、最高執行責任者のヴェノン・ティアン氏がインタビューで明らかにした。また、今年中にタイとインドネシアでも初の店舗をオープンする計画である。

現在、マレーシア国内におけるZus Coffeeの店舗数は743店に達しており、対するスターバックスは320店舗にとどまる。近年、ガザ紛争に関連したイスラエル支持の印象を受けたことによるボイコットの影響で、スターバックスのマレーシア事業は業績を落としている。

フィリピンでは、同国の富豪フランク・ラオ氏の出資を受けて約120店舗を展開中であり、シンガポールには4店舗を構えている。また、ブルネイではフランチャイズ形式で営業を行っている。

ティアン氏によれば、成功の秘訣は、各市場に合わせたフレーバーの開発にあるという。たとえば、マレーシアではパームシュガー風味、フィリピンでは紫芋フレーバーのコーヒーを提供している。

同社の急成長は財務実績にも表れており、2024年の純利益は3倍に増加し、3,700万リンギット(約1,100万シンガポールドル)に達した。この利益増は、マレーシアの大衆消費市場への投資家の関心の高まりと軌を一にしている。ミニマートチェーンの99スピードマートは昨年、マレーシアで最大のIPO(新規株式公開)を実施し、格安小売チェーンのEco-Shop Marketingも今週IPOを控えており、今年最大規模の上場となる見通しだ。

Zus Coffeeは2019年末、モバイルアプリを活用したコーヒーのデリバリー専門キオスクとしてスタートした。コロナ禍による都市封鎖の影響でデリバリー需要が急増し、ビジネスモデルの加速につながったとティアン氏は語る。

現在、同社の売上の約70%はオンライン経由で、デリバリーや店舗でのピックアップが中心である。テクノロジーを活用したビジネスモデルと、実店舗のコスト最適化により、スターバックスよりも2割以上安価にコーヒーを提供できており、大衆層への訴求力を高めている。

「RM5以下で買えるコンビニコーヒーと、RM11以上のプレミアムマスブランドの中間に位置するのがZusのポジションである」とティアン氏は説明する。「質の高いコーヒーを、より多くの人々に届ける。それが我々の使命だ」と語った。

※ソース

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