スイスに本部を置く国際経営開発研究所(IMD)が17日に発表した2024年の世界競争力ランキングで、シンガポールは4年振りに首位となった。
IMDのランキングは、67カ国・地域を対象に6,600人以上の経営幹部および中間管理職からの調査回答と各国政府や世界銀行などの統計データを基に算出された。
シンガポールは、評価基準の「経済パフォーマンス」、「政府の効率性」、「ビジネスの効率性」、「インフラストラクチャー」からなる4つのカテゴリーすべてにおいて上位にランクされた。
「ビジネスの効率性」は、労働市場(3ランク上昇)、態度・価値観(12ランク上昇)の基礎的要素でトップに評価されたほか経営慣行においても21ランクアップの第2位となり際立った存在となった。
「政府の効率性」は、社会的枠組み(9ランクアップの11位)と財政(5ランクアップの4位)が後押しし、前年の7位から5ランクアップの2位となった。また、「インフラストラクチャー」においても、前回の9位から4位へと順位を上げた。
「経済パフォーマンス」は物価が11ランクダウンの62位、雇用が3ランクダウンの第5位と低迷したことから第3位にとどまった。
Essec Business Schoolのジャマス・リム准教授は、シンガポールの伝統的な強みである「政府の効率性」、「ビジネスの効率性」、「インフラストラクチャー」は引き続きシンガポールの総合的なパフォーマンスを後押ししていると指摘した。
一方でリム准教授は、賃貸料、交通費、経営陣や従業員の報酬、医療費などはシンガポールの弱点ともいえる分野で、物価やコストの高騰がシンガポールの競争力に重くのしかかるだけでなく、人々の経済に対する信頼にも影響していると述べた。
※Singapore regains top competitiveness ranking
Rank | |||
2024 | 2023 | ||
Singapore | 1 | 4 | |
Switzerland | 2 | 3 | |
Denmark | 3 | 1 | |
Ireland | 4 | 2 | |
Hong Kong | 5 | 7 | |
Sweden | 6 | 8 | |
United Arab Emirates | 7 | 10 | |
Taiwan | 8 | 6 | |
The Netherlands | 9 | 5 | |
Norway | 10 | 14 |
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