世界的なリスク回避の動きを背景に円高が進む一方、シンガポールでは不動産投資信託(REIT)の好決算や主要企業の経営動向が注目を集めている。
為替市場では、投資家が安全資産へ資金を移す動きが広がり、円が主要通貨に対して上昇した。10月23日には1米ドル=156.81円、1シンガポールドル=約122.71円となった。人工知能(AI)関連企業の業績に対する懸念や、中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の上昇などが、世界の金融市場を圧迫した。
シンガポールのREIT市場では、好調な業績を背景に関連銘柄が上昇した。Keppel DC REITは2026年9月までの9カ月間の1口当たり分配金(DPU)が前年同期比11.7%増加した。Frasers Centrepoint Trust(FCT)は2026年度の年間DPUが過去最高の12.35セントとなり、Suntec REITも第3四半期のDPUが前年同期比13.4%増加した。一方、今後の金利動向や借入コストが各社の業績に与える影響は、引き続き注視すべき課題となる。
シンガポール取引所(SGX)のロウ・ブーンチャイ最高経営責任者(CEO)は、2027年7月中旬の契約満了に伴い退任する意向を表明した。SGXは2026年度に過去最高業績を記録し、売上高は前年比13.9%増の15億シンガポールドル、調整後純利益は24.6%増の7億5,950万シンガポールドルとなった。同取引所は今後、金関連サービスや資産のトークン化など、新たな事業領域の拡大を目指す。
企業動向では、通信大手Singtelが、2026年3月に発生した通信障害をめぐり、情報通信メディア開発庁(IMDA)から100万シンガポールドルの罰金を科された。障害は約72万人の利用者に影響した。また、半導体材料企業Mi Materialは、研究開発や生産能力の拡大に向け、株式公開などを通じて2億1,500万シンガポールドルの資金調達を計画している。
今後は、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策や中東情勢の推移、為替市場の動向が焦点となる。シンガポールのREIT市場では、金利や借入コストの変化が企業業績や投資家への分配金に及ぼす影響も注目される。
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