【タイ】食用昆虫市場の拡大に照準、持続可能なタンパク源として注目

タイ
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タイは、世界的に急成長を続ける食用昆虫市場において優位な立場を確保しようとしている。専門家によると、同市場は2025年から2030年にかけて年間25.1%の成長が見込まれており、持続可能なタンパク源を求める消費者のニーズが拡大の背景にある。

タイは現在、世界第6位の昆虫輸出国であり、長年培われた昆虫飼育のノウハウと、国内での消費受容の高まりが、この新興産業の成長を支える基盤となっている。

昆虫タンパクへの移行は、環境意識の高い消費者の間で、温室効果ガスの約14.5%を排出するとされる従来の畜産に代わる選択肢として注目されている。昆虫の飼育は環境への影響が著しく低い点が特長だ。

昆虫タンパク1kgの生産に伴う二酸化炭素排出量はわずか1kgで、これは一般的な家畜に比べて27〜40分の1

使用する水や飼料の量は、牛・豚・鶏に比べて5〜13分の1

限られたスペースでも高効率な生産が可能

また、地球温暖化が従来の家畜生産に打撃を与える一方で、多くの昆虫種は温暖な気候に適応しやすく、生産サイクルの短縮が期待できる。この気候への強さは、気候変動の影響が深刻化する中で、タイが国際市場での競争力を維持・強化する上で有利に働くとみられている。

農家にとっても、昆虫飼育は有望な収入源となり得る。

コオロギの基本的な飼育設備の初期投資は45,000〜75,000バーツ(約1,760〜2,940シンガポールドル)

生きた昆虫販売による年間利益は9,600〜37,000バーツ

昆虫を粉末加工することで、年間利益は最大260,000バーツまで拡大可能

土地利用効率は1平方メートルあたり最大9,300バーツで、ブロイラーや乳牛の1,500バーツを大きく上回る

■ 市場の成長と課題

世界の食用昆虫市場は2024年に13億5,000万米ドル(約17億6,000万シンガポールドル)規模に達しており、特に欧州、アメリカ、東アジアを中心に関心が高まっている。昆虫はプロテインパウダーやバー、動物飼料の原料としての活用も進んでいる。

現在、タイは世界の昆虫輸出額の約6%(約58万6,000米ドル)を占め、主要な輸出先は米国である。

一方で、消費者の受容性は依然として大きな課題であり、未知の食品への不安や食の安全性に対する懸念が普及の妨げとなっている。また、大規模生産による環境や社会への影響も慎重な対応が求められる分野である。

それでも、政府の適切な支援や、国内消費と輸出の双方を促進する施策が整えば、タイの食用昆虫産業は持続可能な食料システムの中核を担う存在となり得る。環境負荷を抑えながら、経済的にも大きな利益を生み出す可能性がある。

※ソース

Thailand’s edible insect market poised for explosive growth
The country is currently the world’s sixth-largest insect exporter. Read more at straitstimes.com. Read more at straitstimes.com.
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