【タイ】憲法裁が首相を職務停止、電話会話流出めぐる罷免審理入り

タイ
The government is expected to be led by a deputy prime minister in a caretaker capacity.PHOTO: EPA

タイの憲法裁判所は1日、ペートンタン・チナワット首相の職務を一時停止すると発表した。これは、同首相の罷免を求める36人の上院議員による訴えを裁判所が受理し、審理に入ったことを受けた対応である。

問題となっているのは、6月15日に行われたフン・セン氏との電話会談の内容が外部に漏れた件である。この通話は、国境付近の緊張緩和を目的に行われたものだったが、ペートンタン氏がフン・セン氏に対してへりくだる態度を見せ、タイ陸軍の幹部を批判した発言が含まれていたことから、国内で反発が広がっていた。

この騒動を受けて、与党連立の一部政党が離脱。連立政権は過半数割れ寸前の状況となり、野党側は近く不信任案の提出を検討している。街頭では首相の辞任を求める抗議デモも行われている。

裁判所の決定を受け、スリヤ・チュアンルンルアンキット副首相が首相代行として政権を担う。一方、ペートンタン氏は、内閣改造に伴い文化相に就任し、引き続き内閣にとどまる見通し。

プアタイ党のソラウォン・ティエントン幹事長(観光相)は「政府の機能に支障はない。スリヤ氏が首相代行として対応する」と述べた。

ペートンタン氏は、前任のスレッタ・タビシン氏が倫理違反で憲法裁により失職したことを受けて首相に就任。政界経験が浅く、タイ史上最年少の首相として注目されていたが、今回の問題を含め、政権運営には厳しい視線が注がれている。

経済再建の遅れや政権への批判も強まっており、6月19~25日に実施された世論調査では、同氏の支持率が3月の30.9%から9.2%に急落した。

さらに、同氏の父で元首相のタクシン・チナワット氏も今月、新たに2件の訴訟を抱えている。7月1日には、2015年の海外インタビューでタイ王室を侮辱したとして、バンコク刑事裁判所に出廷した。この罪が認定されれば、最長15年の禁錮刑が科される可能性がある。

タクシン氏は2013年からの海外逃亡を経て、2023年に帰国。その後、有罪判決を受けて収監されたが、病気を理由に半年間を病院で過ごし、2024年2月に仮釈放された。最高裁は今月、この入院の正当性を審査し、刑務所への再収監の是非を判断する見通しである。

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