【シンガポール】AIの“ゴッドファーザー”、13億ドル調達 シンガポールを重要拠点に

シンガポール
Former Meta chief AI scientist Yann LeCun said the "fantasy" that AI systems will replace humans because they are smarter is false. PHOTO: AMI LABS

人工知能(AI)研究の先駆者の一人であるヤン・ルカン博士が、自身のスタートアップ「AMI Labs」のために約10億3,000万米ドル(約13億1,000万シンガポールドル)を調達した。資金調達は3月10日に発表された。シンガポールの政府系投資会社テマセクや、Shopeeの親会社Seaなどが出資している。

調達した資金は、画像や映像を中心に学習する「高度機械知能(Advanced Machine Intelligence)」の開発に充てられる。これは現実世界の仕組みを理解し、状況の変化や行動の結果を予測して行動計画を立てるAIの実現を目指すものだ。安全性と信頼性を重視した設計が特徴である。

現在広く使われているChatGPTなどの大規模言語モデルは、膨大なテキストデータを基に回答を生成する。一方でAMI Labsが開発するAIは、映像などを通じて現実世界の構造を理解する「ワールドモデル型AI」で、より安全で制御しやすいシステムになる可能性があるという。

ルカン博士は2018年にジェフリー・ヒントン氏、ヨシュア・ベンジオ氏とともにチューリング賞を受賞した人物で、「AIのゴッドファーザー」の一人として知られる。2025年末までは米IT大手Metaの最高AI科学者を務めていた。

今回の資金調達では、シンガポールからの投資が重要だったとルカン博士は強調する。「シンガポールは重要な拠点であり、優れた人材とパートナーが集まっている」と述べた。

今回のラウンドにより、AMI Labsの企業価値は約35億米ドルと評価された。サンフランシスコのベンチャーキャピタルCathay Innovationや、アマゾン創業者ジェフ・ベゾスの資産管理会社Bezos Expeditionsなどが主導。米半導体大手Nvidiaや実業家マーク・キューバン氏も出資している。

本社はフランス・パリにあり、ニューヨーク、モントリオール、シンガポールにも拠点を持つ。シンガポール拠点は現在4人規模だが、1年以内に約20人まで拡大する計画だ。まず研究開発とAIインフラ構築を進め、将来的には産業分野での実用化を目指す。

ルカン博士は、AIが人間の仕事を完全に置き換えるとの見方には否定的だ。AIは主に特定の作業を自動化し、人間の生産性を高める技術であり、将来は「AIアシスタントのチームを人間が管理する形になる」との見方を示した。

各国政府もAI活用を国家戦略として進めている。シンガポールではローレンス・ウォン首相が議長を務める国家AI評議会の設立が予定されており、AI人材の育成や技術活用を加速させる方針である。

AMI Labsは今後、大学などと共同研究を進めるとともに、研究成果やAIモデルを公開し、研究コミュニティの形成を目指すとしている。

※ソース

AI ‘godfather’ raises .3 billion for start-up with Singapore as key base
Yann LeCun, an AI pioneer, raises .3 billion for AMI Labs with Singapore as a key base. Read more at straitstimes.com. Read more at straitstimes.com.
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