【シンガポール】方言政策、見直しは「段階的かつ限定的」に 文化遺産としての価値を重視

シンガポール
The end-June release of Dear You, a Chinese movie filmed almost entirely in Teochew, had ignited public debate around language policy. PHOTO: GOLDEN VILLAGE

シンガポール政府は、中国系方言を巡る政策について、大幅な転換ではなく、段階的かつ限定的な見直しを進める見通しだ。7月7日の国会では、映画における方言使用を巡る規制緩和が議論され、与野党ともに方言を文化遺産として保存すべきとの認識で一致した。

見直しの契機となったのは、潮州語をほぼ全編で使用した映画『Dear You』を巡る対応だ。情報通信メディア開発庁(IMDA)は当初、一般公開版を北京語吹き替え版に限定したが、観客からの強い要望を受け、潮州語版の上映回数を10回から272回へ拡大し、需要に応じて追加上映も認める方針を示している。

デジタル開発・情報担当上級国務相タン・キアット・ハウ氏は国会で、映画における方言使用に関するガイドラインを見直す考えを表明した。一方で、北京語を中国系住民の共通語とする二言語政策の基本方針は維持し、規制緩和は映画分野を中心とした限定的なものになるとの考えを示した。

南洋理工大学(NTU)の調査では、回答者の95%がメディアでの方言規制緩和を支持し、87%が「方言は北京語や英語の習得を妨げない」と回答した。また、92%が俳優本人の声による方言作品を支持するなど、方言を文化的ルーツやアイデンティティーとして捉える意識が広がっていることが明らかになった。

専門家は、政府は二言語政策を維持しつつ、文化継承や高齢者とのコミュニケーション手段として方言活用を拡大する方向にあると分析している。今回の見直しは、社会の変化や国民の意識を踏まえた現実的な政策調整として進められる可能性が高い。

※ソース

Changes to Singapore’s dialect policy likely to be incremental, targeted, and not a sweeping rewrite
The parliamentary debate on July 7 over the use of dialects in films suggests that dialects are no longer being viewed through the same policy lens that shaped decisions in the past. Read more at stra...
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