シンガポール民間防衛隊(SCDF)は3月3日、2025年に発生した電気自動車(EV)の火災4件のうち、2件が高電圧バッテリーに関連していたと明らかにした。
4件の内訳は、高電圧バッテリーが原因とみられるものが2件、ダッシュボード内の電気部品が原因のものが1件、残る1件はEVのごみ収集車の後部圧縮装置に起因するものであった。2024年のEV火災は1件にとどまっており、2025年は前年から増加した形である。
高電圧バッテリーは、EVを駆動させる主たる充電式電池である。海外の統計では、EV火災は内燃機関車(ICE車)の火災と比べて発生件数自体は少ないとされる。一方で専門家は、ひとたび発生した場合は消火がより困難になる可能性があると指摘する。
EV火災はICE車の火災に比べ、より高温で長時間燃焼する傾向があり、再発火のリスクもある。また、消火活動中に水が使用される場合、車両の電気系統が感電の危険をもたらす可能性もある。
今回の発表は、SCDFが2月11日に年次統計報告書を公表したことを受けたものである。ただし、車種や充電中の発火か駐車中の発火かといった詳細については明らかにしていない。
EV火災の増加は、国内でのEV普及の急拡大を背景としている。電気自動車およびプラグインハイブリッド車の登録台数は、2023年の1万6,926台から2024年は3万3,561台、2025年には5万5,834台へと急増した。これは、陸上交通における内燃機関技術への依存を減らすという政府の方針を反映した動きである。
プラグインハイブリッド車はEV用ウォールチャージャーで充電が可能で、一般的なガソリンハイブリッド車よりも大型の高電圧バッテリーを搭載している。
当局は現在、EVおよびプラグインハイブリッド車について、従来車と異なるナンバープレートを導入する必要があるかどうかを検討している。事故時に専門的な対応が必要な車両を、初動対応者が迅速に識別できるようにすることが目的である。
SCDFは「緊急対応ハンドブック」において、EVが火災に見舞われた場合は車両から少なくとも15メートル離れ、995へ通報するよう呼びかけている。その際、車両のナンバープレート番号または車種名、火災発生箇所(前方ボンネット部、中央部、車体下部など)を簡潔に伝えることが重要であるとしている。
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