シンガポールの2025年第4四半期の雇用見通しが、世界平均を下回る水準に落ち込んだことが人材サービス大手ManpowerGroupによる最新調査で明らかになった。調査によると、同国の純雇用見通し(新規採用予定企業の割合から人員削減予定企業の割合を差し引いた指標)は20%であり、過去3年以上で最低水準となった。これは、世界42市場の平均を3ポイント下回る結果である。
調査は2025年7月に国内524社を対象に実施されたもので、約半数の企業が現状の人員を維持すると回答した。新規採用を予定している企業は37%、人員削減を予定している企業は17%、計画が未定の企業は1%である。
一方、物流・輸送・自動車業界は48%と、他業種を大きく上回る雇用見通しを示した。前年同期および前四半期と比較しても上昇しており、世界42市場の中でも2番目に高い水準である。ManpowerGroupシンガポールのカントリーマネージャーであるリンダ・テオ氏は、「シンガポールが世界的な物流拠点としての役割を果たしていることが、業界の雇用意欲を後押ししている」と述べた。
医療・ライフサイエンス分野は38%で2位、通信サービスは28%で3位となり、これら3業種のみが世界平均を上回った。
その他の業種では、エネルギー・公益事業および公共・教育・慈善団体などを含む「その他」分野が18%、工業・素材分野が17%、情報技術(IT)が15%、消費財・サービスが12%、金融・不動産が10%と低調である。特にIT分野は、AI技術の進展による新卒採用への影響が懸念され、前四半期から20ポイント以上の急落となった。
企業規模別では、従業員10〜49人の小規模企業が33%と最も高く、250〜999人の中堅企業(24%)、5,000人以上の大企業(20%)が続いた。1,000〜4,999人の企業は16%、50〜249人の中規模企業は15%であり、10人未満の超小規模企業は12%と最も低かった。前四半期ではトップだったが、今回は大きく後退した。
地域別では、アジア太平洋地域の平均は28%であり、UAE(アラブ首長国連邦)、インド、中国が30%超と高水準を維持する一方、香港は6%と慎重な姿勢が目立った。
なお、シンガポール企業が直面する最大の採用課題は「適格な人材の確保」であり、技術的な専門職の充足や採用体験の改善よりも深刻な問題であると報告されている。
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