ウッドランズ地区で6月19日、ジカウイルス感染者が2人確認された。国家環境庁(NEA)は、この地域でジカウイルスの持続的な存在が確認されており、感染が広がっている可能性があるとして注意を呼びかけている。妊娠中の感染は胎児に深刻な影響を及ぼす可能性があり、特に妊婦の警戒が必要である。
NEAによると、感染が確認されたのはウッドランズ・ストリート11とストリート32に住む住民で、周辺地域で採取された排水や蚊のサンプルからもジカウイルスが検出されている。これにより、当該地域はジカウイルスの「感染が起きている可能性が高い地域」と位置づけられている。なお、6月18日時点では国内に感染クラスターは確認されていない。
ジカウイルスは、主にネッタイシマカなどの蚊に刺されることで感染する。デング熱やチクングニア熱と同じ蚊が媒介することでも知られている。また、性行為や輸血、妊娠中の母子感染によっても広がる可能性がある。
感染しても症状が出ないことが多く、発症は感染者の約5人に1人とされている。代表的な症状は、発熱、発疹、頭痛、関節や筋肉の痛み、そして結膜炎(目の充血)である。これらの症状は通常、蚊に刺されてから3〜12日後に現れ、4〜7日程度続く。吐き気や嘔吐が伴う場合もある。
NEAは、感染が疑われる場合には速やかに医師の診察を受けるよう呼びかけている。診断にはRT-PCR(逆転写ポリメラーゼ連鎖反応)検査が用いられ、血液や尿からウイルスの有無を確認する。血液では発症後5〜7日以内、尿では14日以内に検出可能とされている。
特に注意が必要なのは妊婦である。ジカウイルスに感染した妊婦の1〜10%が、先天性異常を持つ子どもを出産するとの報告がある。中でも小頭症(頭部と脳の発育が不十分な状態)が最も多く見られ、他にも視力障害、難聴、嚥下障害、けいれんなどの症状が報告されている。すべての症状が現れるわけではないが、出生時に異常が見られなくても、成長の過程で健康上の問題が明らかになることもある。
NEAは今後も監視を強化し、住民に対して予防措置の徹底を呼びかけていく方針である。
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