シンガポールのジュエル・チャンギ・エアポートは2024年、過去最高となる年間来場者数8,000万人を達成し,前年の7,400万人から10%増加した。さらに、売上高も前年比で5%増加し、海外旅行者の割合は35%に達した。
運営会社によると、2024年8月9日の建国記念日が年間で最も来場者が多い日となり、1日あたり354,036人を記録した。この期間中の連休では合計100万人以上が訪れ、祝賀イベントやプロモーションがその要因となった。また、1平方フィートあたりの小売売上高は2023年比で6%増加した。
ジュエルの成功の背景には、チャンギ空港全体の旅客数がコロナ禍前の99.1%まで回復したことがある。2024年の旅客数は6,770万人に達し、ネットワーク規模が2020年1月時点の水準にほぼ戻った。現在、空港には100の航空会社が運航し、49か国・地域、163都市を結ぶ週7,400便以上の定期便がある。
2025年には、アディダスやサロモン、任天堂のポップアップストア、韓国料理レストラン「ブックマゴル」など、約30の新規店舗がジュエルに加わる予定である。さらに、同年3月にはCNBCとNBCユニバーサルが主催するビジネスリーダーや投資家向けのイベントが開催され、パネルディスカッションやゲーム大会が予定されている。
ジュエル・チャンギ・エアポート・ディベロップメント社のジェームズ・フォンCEOは、「ジュエルが小売、観光、ビジネスイベント会場としての新たな価値を提供する場になるよう挑戦し続けている」と述べた。また、既存のテナントの支援に加え、ユニークな体験型コンセプトを持つ新ブランドの誘致にも注力するとしている。
今後、2030年代中頃にメガターミナル「チャンギ空港第5ターミナル」が稼働すれば、シンガポールと200以上の都市を結ぶネットワークの構築が目指されている。ジュエルを中心とした成長は、シンガポールが観光と小売のハブとしてさらなる飛躍を遂げる原動力となるだろう。
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